ポーラ化成工業株式会社ポーラ化成、理研と皮膚再生で共同研究契約結ぶ③
2017.09.6
編集部
肌、皮膚科学の研究開発促進するポーラ化成工業は、今年3月に理化学研究所との間で、シワやたるみなどを改善するための共同研究契約を結んだ。
共同研究は、理化学研究所多細胞システム形成研究センターの理研CDB細胞外環境研究チームとポーラ化成工業の強みである肌科学分野の強化を図り、シワ、たるみの改善に繋がる美容分野、医療関連分野における価値創出を目指す。
理研CDB細胞外環境研究チームは、細胞外環境による皮膚の発生・再生の制御機構に関して、幹細胞とその周辺環境との相互作用に着目した研究を精力的に進めている。
両社の共同研究では、目的として皮膚及び皮下組織の再生メカニズムを解明する。そのため、最新の遺伝子解析やイメージング技術などを用いて皮膚を再生・制御するなどして仕組みの解明にあたる。
今度、ポーラ化成が理研と共同契約を結んだのは、外部機関との連携を図りオープンイノベーションの強化を図ること。同時に、2010年に策定した2020年までの長期ビジョンを3つのステージに分けて現在、ラストステージに当たる2017年からの新中期経営計画に取り組んでいる状況。
主な取り組みとして
①基幹ブランドの安定成長によるグループ集積の牽引
②海外事業の黒字化達成
③育成ブランドの拡大成長と新規ブランド創出など。
①は、今年1月にシワを改善する効能の薬用化粧品「リンクルショット メディカルセラム」を販売した。今後もエイジングケア、ホワイトニング領域において差別性の高い商品の開発に取り組む。また、引き続きビューティーディレクターの育成に注力し、カウンセリング力やサービス品質を向上させ、2020年以降も安定成長できる地盤を整える。
オルビスについては、今期がブランド創業30周年の節目の年。1月に主力ラインである「アクアフォース」シリーズをフルリニューアルし、今後も限定商品などを順次投入することで、顧客単価の改善に取り組む。
②の海外事業については、ポーラ、オルビスブランドともに中国を重点国と定めポーラでは、ハイプレステージチャネル、オルビスではECチャネルでの展開を進め黒字化を達成していく。
③の育成ブランドの拡大成長と新規ブランド創出については「THREE」ブランドを今後とも百貨店・セルフショップを中心に出店を継続し、年平均10%以上の売上拡大を目指す。「DECENCIA」ブランドについては、認知度・ブランド力の強化に向けてあらたに店舗展開を始める予定。また、現在のブランドポートフォリオを補完し、将来の成長の芽となる新ブランド創出のための積極的な投資を実施。将来的には、売上高50~100億円規模のシャープなブランドを複数創出する。
ともあれ、理研との共同研究は、次の節目となるグループ創業100年にあたる2029年に向けた新たなブランド創出の第一歩を踏み出したといえ、医薬部外品「ポーラリンクルショットメディカルセラム」に続く大型商品開発に繋がるか、その成否が注目されるところだ。