【連載】大手化粧品会社の研究㉗オッペン化粧品の会社研究 ~訪販から通販に大きく舵をきる~(上)

2018.06.7

特集

編集部

オッペン化粧品株式会社(大阪府吹田市、非上場)は、1953年9月、大阪市内に龍宝堂を設立し、化粧品の製造販売を始めたのが起源。1952年11月に、龍宝堂製薬を設立、商標をオッペンとする。1977年11月に龍宝堂製薬から販売部門を分離しオッペン化粧品とする。

現在の事業は
➀化粧品、健康食品、医薬部外品等の製造・販売事業
②「エステティックアカデミー」運営及びサロン運営事業
③通販・保険・イベント等の事業など、多角経営を行っている。

化粧品等の販売事業は、同社が永年にわたって構築してきた25ヵ所の支店と分室及び約1300ヵ所の営業所=ビューティサロンからなるネットワーク網を駆使し、約5万人にのぼる訪問販売員(ローズメイト=ビューティアドバイザー・委託契約)が地域コミュニティとの連動によるイベント展開、フリーマーケット、スーパーマーケット、量販店、百貨店での催事などに出展し、新規顧客との接点を探りながらビューティサロンへ誘導して化粧品販売に繋げてきた。
中でも営業所がビューティサロンとなって伝統的な強みであるカウンセリングやトータルな美容サービスを提案しながら顧客訪問による化粧品の対面販売を行うなど、集客型の営業展開を行ってきた。しかし、訪販主体の販売形態から通販へと販売形態を大きく舵をきった。

同社は、通販、保険、イベント等の事業子会社「ハッピーヘルス」を2010年7月に設立。2015年3月に公式ネットショップを開設して訪問販売からの離脱、休眠顧客の補完に打って出た。
同社がネット通販に乗り出した背景には、訪販の戦略見直しに伴い、訪問販売員が空白になっている地域のユーザーや購入方法がわからない消費者などの休眠顧客をネット通販によって補完すること。同時に、30~40歳代の女性を取り込みながら歩留まりの向上による継続購入に繋げる狙い。

同社は、過去にカタログ通販やECサイトを運営し、化粧品以外の商品や一部のブランドのみの販売を行ってきたが、全商品を通販で販売するのは初めて。
通販に乗り出して今年で3年を経過した。既存販売チャネルである訪問販売を補完し、訪問販売からの離脱客や休眠客を補完する新たな販売チャネルと新規顧客獲得のための販路拡大につなげるなど成果が出ている。

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