【連載】大手化粧品会社の研究㉛アイエヌイーの会社研究 ~ボタニスト販売好調、業界での存在感示す~(上)
2018.06.25
編集部
株式会社I-ne(アイエヌイー、旧社名イーネ、大阪府大阪市、未公開)は、天然植物由来のヘアケア用品をはじめ、ベースメイクコスメ、美容雑貨、生活雑貨などの自社ブランド商品を企画開発からマーケティング、広告、流通、販売を一貫して行う「次世代メーカベンチャー」を標榜する。
中でも事業化のスピードや自分たちで考案したブランドや商品を通常2,3年かかるところを3分の1以下で早期に立ち上げるスピード感はまさにベンチャーたるゆえん。
2007年3月に法人会社I-ne(イーネ)を設立し、同年4月に電子商取引事業開始。2009年8月にバラエティショップ、ドラッグストア等に卸販売を始めるなど販売チャンネルの拡大に打って出た。2018年1月には、法人化して11年を経過後に現社名に変更、新たな成長の軌跡を歩んでいる。
現在、ネット通販やドラッグストアなどの市場に投入しているブランド商品は、シャンプー、トリートメント、ボディソープ等の商品「ボタニスト」をはじめ、クレンジング、洗顔等の「スキンビル」や国産のオーガニック原料使用のコスメブランド「ラブユアスキン」、UVカットのベースメイクコスメ「ルージュコスメティクス」などの化粧品に加えて、エナジードリンク「チルアウト」、ビタミン吸引器「ビタフル」など飲料関連商品を含めてブランド数は22ブランドにのぼる。
その中で同社の収益を押し上げ業界での存在感を高めたのが2015年1月に発売したシャンプーとトリートメント等のブランド商品「ボタニスト」(写真)といえる。
ボタニカルは、頭皮と髪に健やかな美しさをもたらす植物由来の原料をバランスよく配合。界面活性剤にこだわり、サロン品質の洗い心地を実現した。
ヤシ、パーム、ダイズ等を共通原料にサトウキビ、甘草、トウモロコシを原料としたボタニカルシャンプーとアボガド、マカデミアナッツを原料としたトリートメントの特長として
➀頭皮と髪に優しい天然植物由来の成分を配合し、しっかりとした洗い上がりにまとまる
②ボトルデザインのインテリア化や洗練されたデザインが好評
③上品な香りでリラックスできるのが特徴。
ボタニストは、相手先(委託者)ブランド名製造」(OEM生産)を採っている。商品の企画は同社が行い、開発や製造は受託企業の山田製薬株式会社(東京都中央区、日華化学株式会社の子会社)が担当している。
2015年1月にオンラインストアで販売を開始し、2月中旬よりプラザほかバラエティショップの一部店舗で発売をしたところ、商品の良さが口伝えで広がり予想を大きく上回る売れ行きを実現した。
引き続き、マーケティングを強化して全国での取り扱い店舗を拡大するとともにオンラインストアや全国のバラエティショップ、ドラックストアなどに販路を拡大。現在は、渋谷区神宮前にコーヒーショップ併設の直営店「ボタニスト東京」を開設し、販促強化に打って出ている。