【連載】美容漢方~漢方の新たな市場を創出~【4】漢方養生堂、養生美容に関する各種セミナーの開催も(下)

2016.12.21

特集

編集部

漢方養生堂 代表の周氏によると、美しい肌を保つには、潤いを補うことだという。人間、年を重ねていくと、自然と身体の津液(=腎陰)が少なくなっていくため、シワがでやすくなる。言い換えると、(津液の多い)肥満人より、痩せ細った人のほうがシワが出やすいのと同じ原理だ。そこで、「腎陰を補うようにすると良い。葉っぱが乾燥したら、葉っぱに水をかけるのではなく、木の根に水をやるのと同じで、人間の場合は根本の腎を補うことが大切」(周氏)と強調する。

漢方養生堂では、日本の既存の漢方薬のほかに、生薬を使ったオリジナル健康食品も取り扱っており、お客から好評を得ている。

例えばサージ油、トマトリコピン、沙参、緑茶、阿膠、黄精、枸杞の実などを配合した錠剤の「紅潤泉」(450mg・120粒)は滋陰のサプリメント。このうち、中国で“生命の果実”とも呼ばれているサージは、標高2000mの高山などの過酷な地に自生するもので、酸化を抑える成分を多く含有している。また、放射線や紫外線から守る働きも注目されており、宇宙飛行士にも愛用されている。

別の滋陰剤として、亀の甲羅、羊胎盤、阿膠、山茱萸、枸杞の実、女貞子、旱蓮草、西洋人参、ナツメ、佛手、鶏血藤などを配合した「益陰」(350mg・180粒)もある。

現代人は、仕事に忙しく、人間関係などでストレスを抱え、食事や睡眠の面で不規則な生活に陥りがち。中でも、現代社会ではストレスの影響が大きく、「一日中スマホを見ていたりして、身体より脳の疲れがひどい」(周氏)とされる。美しさを保つにも十分な休息が必要だ。

周氏は、美を追求する上でも、養生の大切さを強調する。中国最古の医学書「黄帝内経・上古天真論」に「所以能年皆度百歳而動作不衰者、以其德全不危也」という言葉がある通り、百歳を超えても元気でいられるためには、養生法を身に着けることで、そうすれば病気に侵されることもない。

そこで、周氏は漢方相談だけでなく、漢方医学の養生美容に関する基礎知識をより多くの人に知ってもらうため、各種セミナーも開催。募集をかけるとすぐに満員になる人気ぶりだ。過去に開いた東洋美肌セミナーでは、鍼灸の資格を取得したエステティシャンも参加しており、中医学の勉強に熱心に取り組んでいるという。

養生美容を実践するには、正しい弁証論治が必要。弁証論治というと難しく感じるところもあるかもしれないが、「虚実あるいは寒熱を区別することができれば良い。養生の方向性さえ間違えなければ大丈夫」(周氏)とアドバイスしている。

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