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弾性縫合糸を用いたヒップアップ手術の結果は良好

新しい弾性縫合糸を用いたヒップアップ手術の結果報告が、「Aesthetic Plastic Surgery」4月号に掲載された。この報告中のグラフに関し、7月9日に修正報告があった。

従来のヒップアップ手術は大きく傷跡の残る侵襲的手術であったため、重度の臀部下垂(gluteal ptosis)でないに患者に推奨することは難しかった。さらに、臀部領域は、関節の動きに伴って変化する領域でもある。そのため、従来の手術糸では、ヒップアップ手術後、股関節屈曲時に痛みを引き起こす可能性があった。

今回報告のヒップアップ手術は、患者から高い満足度を得た、Korpo社(本社:イタリア、ジェノバ)の縫合糸、弾力性のあるエラスティカム(Elasticum)を用いたもの。エラスティカムは、シリコンとポリエステルによる弾力性の強い手術用縫合糸である。従来の縫合糸では柔軟性がなく術部の組織との一体化がないため、術後数か月後には組織を切断してしまい、リフトアップ効果が薄れるという問題があった。弾力性・柔軟性のあるエラスティカムは術後の皮下組織へのなじみがあり、長期のリフトアップ効果が期待されていた。

2016年7月から2017年6月までに、60人の患者がエラスティカムによるヒップアップ手術を受けた。臀部下垂の程度はグレード0からグレード6に等級付けし、術後グレードの変化と合併症を評価した。その結果、グレード2~5の患者は術後、最低でもグレード2へのグレードアップが認められた。グレード6の患者は、グレード3が14.5%、残りの患者はグレード5または6だった。術後疼痛は7人の患者(11.67%)で生じ、6人の患者(10.00%)では、術後10日で皮膚の陥没やしわが見られたが、1カ月後にはすべて消失していた。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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