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唐辛子由来の新しい肥満薬、動物実験で有望な成果示す

唐辛子由来のカプサイシンをベースにした肥満薬の動物実験が成功したことが7月17日、米国ワイオミング大学からプレスリリースされた。この研究の詳細は、7月17~21日に開催されるSociety for the Study of Ingestive Behavior(摂取行動研究学会)の年次集会で発表予定。

研究者らは、脂肪細胞で多く見られるカプサイシン受容体TRPV1を標的とするために、経口摂取が可能なカプサイシン徐放剤Metabocinを開発した。これは、TRPV1を刺激することで白色脂肪細胞はエネルギーを燃焼させ、体重減少を引き起こすという仮説に基づいたもの。研究者にとっての重要な問題は、Metabocinによる減量効果が持続するかどうか、また薬剤の副作用がその利点を上回るかどうかだった。高脂肪食を与えたマウスを用いた今回の動物実験では、長期的な体重減少の維持、および、血糖値、インスリン応答、脂肪肝疾患の症状の著しい改善が確認できた。また、8カ月間の実験期間中、Metabocinによる副作用は見られなかった。

これらの結果は、スパイシーな食物で体重を減らせるという考えに結びつくかもしれないが、香辛料に含まれるカプサイシンの大半は身体にうまく吸収されないため、実験で確認されたような効果は生じないという。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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