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シャワーヘッドの細菌が非結核性肺疾患リスクに

一般住宅に設置されたシャワーヘッドに存在する菌と非結核性肺疾患の発症と関連している可能性を示唆する論文が10月30日、「mBio」オンラインに掲載された。マイコバクテリアは土や水などの自然環境に多く、普遍的に存在している菌である。そのため、人は日常的にこの菌を吸い込んで生活をしているが、高齢者や乳幼児、体力や免疫力が落ちている場合などに、非結核性マイコバクテリア(NTM)肺感染症として発症する。完治は難しいとされ、慢性疾患として長期の治療が必要と考えられている。しかし結核とは異なり、人から人へ感染はしない。

マイコバクテリウム属細菌は、シャワーヘッドに多く存在していることが知られており、シャワー中にマイコバクテリアの吸入が起こる可能性は大きい。今回の研究では、アメリカとヨーロッパの656世帯のシャワーヘッドからバイオフィルムサンプルと関連する水質データを収集した。マイコバクテリウム属細菌は、一般住宅のシャワーヘッドで検出された細菌の中でも最も多く見られる属だったが、菌の多様性と量は様々だった。菌の検出は水道水より井戸水から、ヨーロッパよりもアメリカの家庭でより豊富だった。また、水源、水質、地理的状況も、マイコバクテリアの検出率に影響があり、アメリカでは、検出率の高い地域で非結核性NTM肺疾患の有病率が高いことが分かった。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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