閉経後女性における歯の喪失と高血圧発症の関係を検討した研究が12月4日、「American Journal of Hypertension」オンラインに掲載された。歯周病と歯の損失および高血圧の関係を示唆した研究は複数が発表されている。しかし、この関係の時間的影響は不明である。今回の研究は、自己報告を基に歯周病・歯の損失・高血圧の関連を評価した。

研究は、1998-2003年に行われたWomen’s Health Initiative-Observational Studyに参加した3万6692人の閉経後女性を対象に、平均8.3年の追跡調査で行った。Cox比例ハザード回帰を用いて、ハザード比および95％信頼区間を算出した。

その結果、粗モデルにおいても調整後モデルにおいても、歯の損失と高血圧発症には有意な関連が確認された。この関連は、60歳未満の人で60歳以上の人と比べて、また、血圧120未満の人で120以上の人と比べてより強かった。歯周病と高血圧に関連は見られなかった。加齢に伴う女性の歯の損失を予防することは、高血圧の予防になり得るという可能性が示唆された。