ボディビル用のサプリメントに広く使用されている成分のL-ノルバリンに、脳細胞への損傷を引き起こす可能性があることを示唆した論文が発表されたことが2月7日、豪州University of Technology Sydneyからプレスリリースされた。研究の詳細は1月29日、「Toxicology in Vitro」オンラインに掲載された。
L-ノルバリンは、ヒトのたんぱく質を作るためには通常必要とされないアミノ酸のひとつであるが、サプリメントに含まれた場合にはトレーニングの促進と回復の補助に有効とされている。研究者は「タンパク質以外のアミノ酸の中には、タンパク質のアミノ酸を模倣して体を欺いて不完全なタンパク質を作ることがあるため、有毒なものも存在する」と述べている。
今回の研究は、ヒトの細胞におけるL-ノルバリンの毒性を調査する最初の研究であり、特にタンパク質のアミノ酸を模倣する能力から生じる脳細胞の健康に対するその効果を試験ものとなった。研究を主導したKen Rodgers准教授は「人々は長期的な結果がどうなるかについて多くを知らずにこのようなサプリメントを取っている」ことを懸念している。
