世界の美容とヘルスケアビジネス情報を配信

FEATURED

注目の企画

BUSINESS

皮膚の保湿で慢性疾患予防の可能性

皮膚表面に保湿剤を塗布することで慢性疾患発症と関連する血中の炎症性サイトカインの増加を防げるかを検討した研究結果が35日、「the European Academy of Dermatology and Venereology」オンラインに掲載された。

心血管疾患、糖尿病、骨粗鬆症、アルツハイマーなどの加齢に伴う慢性疾患の発症は血中の炎症性サイトカインのレベル増加と関連していることは知られているが、炎症性サイトカインを直接的に減少させる方法はまだ確立されていない。しかし、マウスの実験では表皮機能不全が加齢による血中サイトカインレベルの上昇との関連が説明でき、また、表皮機能の改善で血中サイトカインレベルを低下させることが実証されている。

今回の研究では、表皮機能の改善が血中の炎症誘発性サイトカインレベルを低下させるかを検討するため、33人の高齢者を対象に予備研究を実施。皮膚バリアを修復する軟化剤を1日2回塗布する試験を30日間行い、塗布しなかった高齢者グループおよび若年ボランティアグループと比較した。その結果、皮膚軟化剤の局所適用は、表皮透過性バリア機能および角質層の水和状態を有意に改善した。同時に、IL-1βおよびIL-6の血中レベルの正常化、およびTNFαレベルの実質的な低下が確認された。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

  • Byline
  • New

橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

  1. 男性・家族歴・重症度でニキビ瘢痕有病率に差異

  2. ニキビへの新技術Photopneumatic Technology

  3. 時間制限食とカロリー制限食の減量効果に差なし

RELATED

気になるなら一緒に読んでほしい関連記事

PAGE TOP