コーヒー・ダイエットは要注意? 女性は1日4杯まで
2013.08.19
編集部
コーヒーと死亡率との関連を示した研究が、米国の総合病院メイヨー・クリニックが発刊する医学研究誌に掲載された。
4万人以上の患者のデータの解析と患者への対面インタビューを実施。平均17年間の追跡期間の結果、2512人の死亡を確認、そのうち32%が心臓血管に関連した疾患によるものだった。コーヒーの摂取は男性の死亡率および1週間に28杯以上を飲む男性の心血管疾患による死亡と関連していた。年齢別では、55歳未満の男性と全ての年齢の女でコーヒーの高摂取(週28杯以上)と死亡率に関連が見られた。研究者らは、今後の研究成果を待ちたいとしながらも、「1日4杯以上のコーヒーは止めるべき」と述べている。
近年、コーヒーに嗜好品以外の健康への効果を訴える製品も多く出回り、コーヒーの成分カフェインの褐色脂肪細胞活性作用を利用した脂肪燃焼効果を期待した「コーヒー・ダイエット」や、焙煎前の生豆に多く含まれる「コーヒー・ポリフェノール」の活性酸素抑制効果を期待した製品がある。社団法人全日本コーヒー協会によれば、2012年の日本人の平均的なコーヒー飲用杯数は1週間あたり約10.7杯(中学生以上79歳までの平均)というので、今のところ高摂取というわけではないようだ。
メイヨー・クリニック(Mayo Clinic)は、1846年創立で米国ミネソタ州ロチェスターに本部を置く総合病院。米国の病院ランキングでは常に上位、独自に医学校も併設し、歴代の大統領や中近東のVIPをはじめ、国内外から難病患者が訪れることでも有名。国内の医療保険改革に取り組むオバマ大統領が、「米国の医療機関が模範とすべき、高品質で低価格の医療を提供するクリニック」としてメイヨー・クリニックの名を挙げたことで、医療関係者以外での知名度も上昇した。患者個々人のカルテの作成や医学教育にレジデント制の採用など、今日普及している医療システムの先駆け、また今日ではソーシャルメディアの活用でもパイオニアとして知られている。