つけまつげの需要増加、まつ毛美容液の危害も急増
2019.09.30
編集部
幅広い世代につけまつ毛の使用が拡大している。しかし、その半面で、まつ毛の美容液を使って目が腫れるなどの健康被害が急増、まつげの需要増加に水を差す格好になっている。
つけまつ毛(写真)は、目を画定し、上部のまつげを厚くするために着用される人工まつげとして定義される。また、つけまつげは、特別な接着剤の助けを借りて着用され、自己塗布することができる製品は、本体のみ、つけまつげ用接着剤のみ、あるいはその両方がセットになったものがある。タイプとしては、主にストリップまつげと個々のまつげの2つのタイプに分類される。
つけまつ毛の需要は、これまで10代のギャルを中心の需要層を形成していたが、ここへきて主婦や働く女性など幅広い年代の女性にも受け入れられるようになった。
現在、つけまつ毛の国内市場規模は、約70億億円に上ると推計。需要の伸びも5年前と比べて約2倍程度、増加していると見られている。
需要の拡大を映してメーカー各社は、ボリュームのあるつけまつげをはじめ、目尻にアクセントを置いたものやつけまつ毛専用マスカラ、装着クリップ、まつ毛美容液など関連商品を含めてアイテムを充実させながら市場に投入している状況にある。
こうした需要拡大の中で、まつ毛の美容液を使って目が腫れるなど健康被害が急増している状況にある。
まつ毛美容液とは、メイクによって傷んだまつげのダメージケアと保湿をする事のできる美容液。まつげ美容液をまつげにつける部分の形状は、マスカラタイプや筆タイプ、チップタイプなどいろいろな種類がある。
まつ毛美容液は、マスカラのようにブラシやチップ(スポンジ状のもの)、あるいは手で直接、まつ毛の生え際等に塗布する商品で、はり、こし、つやを与える等の効能をうたっているもののほか、育毛の効能効果等をうたっているものもみられる。
国民生活センターによると、まつ毛美容液を使って皮膚に痛みやかゆみを生じる一方、目が腫れるなどの危害相談が2018年で381件に上ったことを明らかにした。
危害したケースの中には、角膜が傷付いたため手術を受けたという例やインターネット販売サイトで売られている商品を調べたところ「頭髪用の育毛剤がまつげ美容液として販売されていたケースもみられた」としている。
同センターでは、まつげ美容液の使用中や使用後に肌に赤みやかゆみ、腫れなどの異常が現れた時には直ちに使用を中止するよう呼び掛けている。
現在、つけまつげ用接着剤については「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」において規制されている。
つけまつげ用接着剤は、直接皮膚に接着剤が触れるため、ホルムアルデヒド(HCHO )が法に基づく有害規制物質として規制されている。ホルムアルデヒドは、身体に接触した場合、皮膚に対して刺激を与え炎症を起こすほか化学物質の中でも特に強い抗原性を持っているため、アレルギーを惹起することが知られており法規制の対象になっている。
- 参考リンク
- 国民生活センター