光線力学的治療法の若返り効果はERK活性化がカギ

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2013.08.29

編集部

皮膚に対する若返り効果があることでここ数年、美容的治療への普及が見られる光線力学的治療法(photodynamic therapy:PDT)のメカニズムはまだはっきりと解明されていない。今回、皮膚科専門誌の「Journal of Investigative Dermatology」9月号に、このメカニズム解明のカギとなる論文が掲載された。

この研究は、PDTによる若返りが実行されている最中のヒト皮膚線維芽細胞で起こる現象について、実験したもの。たんぱく質生成に関わる細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)の長期活性化が誘発され、皮膚の若返りに影響を与えるMMP-3、I型コラーゲンmRNA、たんぱく質の増加が見られた。またERK活性を阻害すると、コラーゲン、たんぱく質などの増加の抑制が確認されたという。

元来、線維芽細胞内のミトコンドリア活性によりコラーゲン産生が高められるとされていたが、今回の研究では、これらの結果がERKの長期活性化によって成されている可能性を示したもの。

PDTはがん治療に用いられていた、光感受性物質とレーザー光照射による光化学反応を利用する局所的治療法。がんの病巣を集中的に攻撃するため、正常な組織への害が少ない治療法として利用されている。肺がん、子宮がん、加齢黄班症などには健康保険の適応がある。

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