コティ・プロフェッショナル事業の買収企業予測と分析—米市場調査会社クライン

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2019.11.8

国際部

米市場調査会社クライングループは10月31日、化粧品大手コティのプロフェッショナル事業部の買収について、潜在的な買い手候補とその企業分析を発表した。業界が注目している候補者として、フランスのロレアル、ドイツのヘンケル、英蘭ユニリーバ、日本の花王株式会社などを取り上げた。

コティは、ヘアケアブランド「WELLA(ウエラ)」、ヘアカラーブランド「 CLAIROL (クレオール)、ヘアツールブランド「GHD」、ネイルブランド「OPI」などをプロフェッショナル事業部で展開しているが、ビジネスの戦略的オプションとして、同事業部の売却を検討する取締役会の意向を先月、発表していた。

業界最大手のフランスのロレアルは規制当局の承諾を得ることができない可能性があるため、ヘアケアブランドの買収意欲は低いとした。ただし、プロのネイルケアとヘアツールは、ロレアルがリーダーシップをとっていない美容業界で数少ない部門なので、「OPI」、「GHD」ブランドはロレアルにとって興味深いと指摘する。

ヘンケルは、過去数年にわたり米国のヘアケアブランドの買収を強化しており、北米地域ではロレアルに次ぎ第2位の売上を占める地位を固めている。コティのヘアケアブランド買収の有望な候補者とみられる。「ヘンケルがコティのプロフェッショナル・ヘアケアブランドを買収した場合、ロレアルからわずか2ポイント下回る位置にまで浮上し首位の座に近づく」などとクライングループ消費者製品部門の副社長であるCarrie Mellage氏は述べている。 ただし、ヘンケルのポートフォリオで主要ブランド「Schwarzkopf Professional( シュワルツコフ プロフェッショナル )」と「ウエラ」との間で潜在的な利益相反が生じる可能性があると指摘。

日本の花王は別の有望な買い手候補者として分析している。花王は、サロンヘアケア市場内の新しい分野に位置付けられ、業界第2位の地位を保持する。ただし、同社が1989年に買収した「 Goldwell (ゴールドウェル)」は、ドイツ「ウエラ」と競合していた経緯があり、規制当局の認可を得られるかどうか、という課題をかかえる。

ユニリーバも、可能性のある候補者として取り上げている。ユニリーバは「TIGI」、「 Living Proof (リビング・プルーフ)」によりヘアケアとヘアスタイリング製品市場で地位を獲得しているがヘアカラー市場での存在は限られている。「ウエラ」を買収すると、ポートフォリオのバランスがとれるほかヘアサロンの流通チャネルへの参入が可能となる、などと分析している。

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