化粧品ECの現状と課題③化粧品ECの現状と課題 ~花王、化粧品EC比率を25年度に6%から15%に高める~

2019.12.3

特集

編集部

花王株式会社(東京都中央区)は、化粧品事業の売上高に占めるEC比率を2025年度までに現在の6%から15%に高める。
この目標を達成するため、初のネット専用商品「ブラックプリマ」を開発しEC市場に投入した。また、リアル店舗と同様にECサイトでも動画を使って販促効果に繋げるなど、化粧品分野のEC強化策に打って出ている。

ネット専用商品「ブラックプリマ」は「ソフィーナ プリマヴィスタ 皮脂くずれ防止化粧下地」の定番商品として開発し2018年4月にネット市場へ投入、EC販売を始めた。
「ブラックプリマ」の特徴は、汗・皮脂に強くテカリ・ベタつきが特に気になる超オイリー肌でもサラサラな仕上がりが長時間持続する。
ブラックプリマは、ネット販売強化を狙って投入した。また、2018年からリアル店舗と同様、ECサイトの中でも売りたい商品について動画を使って目立たせる工夫や企画コーナーを作って購入へと誘導、または、広告宣伝にも利用する施策を進めている。

一方、同社は、アマゾンや楽天、アスクルなどのECモールに出店している「KAO SHOP」は、ECショップではなく自社情報サイト。ECサイトと提携しているものの、基本は商品ブランドの説明や機能の説明を配信している。多くの消費者が訪れるECモールで、商品ブランドの考えや製品の機能を発信し消費者との距離を縮める」ことを主眼にしている。
このECモールで同社は、ほぼ全商品を販売している。化粧品や紙おむつなどトイレタリーを含むコンシューマープロダクツ製品は、子ども用紙おむつのEC売り上げは好調を持続しているが、化粧品などのEC販売は、EC化率の遅れが課題。

ECモールに出店しているKAO SHOPは、ECショップではなく自社の情報サイト。ECサイトと提携しているものの、基本は商品ブランドの説明や機能の説明を配信している。「多くの消費者が訪れるECモールで、商品ブランドの考えや製品の機能を発信し消費者との距離を縮める」ことを主眼。しかし、販売効果は、疑問視がつく状態。
これまでの化粧品販売の主流は訪問販売やカタログ通販。しかし、ネット通販の台頭で、カタログ通販は低迷。オンラインショップやECでの販売といったネット通販が主流になりつつある。
そうした中、化粧ECの効率的な取り組みによってライバル企業に比べ出遅れて低水準にある化粧EC取引を起死回生できるかどうか、今後の展開が注目される。

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