ビタミンDサプリ、女性の筋肉や骨の健康不良に影響なし
2019.12.10
国際部
ビタミンD強化食品は骨代謝マーカーおよび筋肉の強さに影響しないという試験結果が12月2日、「Nutrition Journal」オンラインに掲載された。
ビタミンDの欠乏は筋力の低下と骨の健康不良に関連している。今回の研究では、ビタミンD欠乏症のリスクがある若い成人女性の骨マーカーと筋力に及ぼすビタミンD強化の影響を調査することを目的とした。試験の参加者は、デンマークに住む18〜50歳のデンマークおよびパキスタン出身の143人の女性で、民族別に層別化された4つのグループに無作為化した。12週間の無作為化二重盲検プラセボ対照介入試験で、強化ヨーグルト、チーズ、卵、クリスプパンまたは同様のプラセボ製品を通じて30μgのビタミンD3/日の介入を行った。
その結果、強化グループ女性の血清25(OH)D濃度は、デンマーク人は44.5 nmol/Lから53.3 nmol/L、パキスタン人は54.7 nmol/Lから77.8 nmol/Lに著しく上昇した。骨代謝マーカー(オステオカルシン、骨特異的アルカリホスファターゼ、プロコラーゲンタイプ1アミノ末端プロペプチド)およびⅠ型コラーゲン架橋C端テロペプチドには大幅な変化がなかった。ハンドグリップ、膝の伸展、および起立試験による筋力測定値には、ビタミンD摂取介入後に有意な変化はなかった。ビタミンD強化食品を12週間摂取後も、骨代謝マーカーおよび筋肉の強さに有意な変化は生じなかいことがわかった。