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「代謝的に健康」でも肥満者の健康リスク高い

肥満だが代謝関連因子は正常な「代謝的に健康な肥満(metabolically healthy obesity:MHO)」が本当に健康かどうかを検討した試験結果が6月10日、「Diabetologia」オンラインに掲載された。

英国バイオバンクの38万1363人のデータを用いて追跡期間中央値11.2年の人口ベース前向きコホート研究を実施。MHOを、BMI 30以上で、6つの代謝的健康の基準(血圧、C反応性蛋白、トリグリセリド、LDLコレステロール、HDLコレステロール、およびHbA1c)のうち4つ以上を満たすことと定義した。評価基準は、糖尿病、およびアテローム動脈硬化性心血管疾患、心不全、呼吸器疾患の発症とし、代謝的に健康な非肥満の人と比較した。その結果、非肥満者と比べ、MHOの人では糖尿病発生率、アテローム動脈硬化性心血管疾患発生率、心不全発生率、呼吸器疾患発生率および全死亡率が高かった。5年のランドマーク解析の結果も同様だった。

研究者らは「代謝的健康状態に関係なく、糖尿病、アテローム動脈硬化性心血管疾患、心不全および呼吸器疾患のリスクを低下させるため、全ての肥満者で体重管理が推奨されるべきである。MHOという表現は誤解を招きやすいことから使用を避けるべきであり、リスクの程度に応じた様々な戦略の探究が必要である」と述べている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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