アジュバンHLDGSと理化学研究所、育毛剤の特許を取得
2021.10.27
編集部
美容の事業会社を擁する株式会社アジュバンホールディングス(兵庫県神戸市/代表取締役会長兼社長:中村豊)は10月22日、国立研究開発法人理化学研究所生命機能科学研究センター器官誘導研究チーム(辻孝チームリーダー/以下「理化学研究所」)との共同研究「毛質のメカニズムの科学的解析と新規ヘアケア剤候補物質の評価・探索」で発見した2種のペプチドを含む育毛剤の特許を2021年10月7日に取得したと発表した。
共同研究においては、パルミトイルジペプチド-5ジアミノブチロイルヒドロキシトレオニンおよびパルミトイルジペプチド-5ジアミノヒドロキシ酪酸(ペプチドA)を含有する外用剤が、ミノキシジルと同等に毛髪の成長を促進させる育毛活性効果があることを発見するとともに、毛髪の成長を制御する毛乳頭細胞における育毛に関連する成長因子の遺伝子の発現を誘導することも明らかにした。
さらに、共同研究では新たに幅広く使用できる育毛成分の発見を目指し、多くの既存の化粧品成分をスクリーニングにかけ育毛効果が認められる成分を探索した。その結果、毛幹伸長速度の上昇と最大毛幹長の増大が認められる成分を生体内試験で特定し、さらに同成分が毛包周囲の毛細血管の増殖や新生を促進する働きを持つ成長因子「VEGF」と毛母細胞の増殖・分裂を促進する働きを持つ成長因子「FGF-7」の発現量を増加させることを生体外試験で確認した(図1,2)。
特許の概要は次のとおり。
特許第6956368号
発明の名称:育毛剤
特許権者:株式会社アジュバンホールディングス、国立研究開発法人理化学研究所
発明者:中村荘太1)、高橋秀樹1)、中池佑紀美1)、永谷貴弘1)、金澤由紀1)、辻孝2)、小川美帆3)
1) 株式会社アジュバンコスメジャパン
2) 国立研究開発法人理化学研究所生命機能科学研究センター
3) 株式会社オーガンテクノロジーズ
今後についで同ホールディングスは「アジュバングループでは引き続き育毛成分の探索を行うと同時に、この度特許を取得した成分を採用した製品開発など、今後さらなるヘルスケア分野の研究開発を進め、人々の健康と暮らしに貢献してまいります」としている。