ABO式血液型とニキビ重症度に有意な関連
2023.03.7
国際部
尋常性ざ瘡(ニキビ)の重症度とABO式血液型との相関関係を調査した結果が3月3日、「Journal of cosmetic dermatology」オンラインに掲載された。
ニキビは多因子の病因を伴う慢性炎症性疾患であり、病因に関する研究は重要である。最近では、ニキビ病因における遺伝学の重要性についても研究が進められている。血液型は遺伝的に伝達され、特定の疾患の発症、進行、および重症度に影響を与える可能性がある。トルコで実施された今回の研究では、合計380人のニキビ患者(軽度患者263人、重度患者117人)と1000人の健常対照者グループを対象とした。ニキビ患者と健常対照者の重症度は、病院自動化システムの患者ファイルからさかのぼって得られた血液型とRh因子のデータに基づいて決定した。女性の割合は、ニキビ患者グループで有意に高かった。患者の平均年齢は、健常対照者グループと比較して有意に低かった。重度のニキビ患者の平均年齢は、軽度のニキビ患者と比較して有意に低かった。
その結果、健常対照者グループとの比較で、A型ニキビ患者の重度ニキビ発生率は高く、他の血液型の患者では軽度ニキビ発生率が高かった。軽度から重度のニキビとRh式血液型には関連は認められなかった。研究者らは、ニキビの重症度とABO式血液型との間に有意な相関関係があることが示されたとし、今後の大規模調査で結果が確認される可能性があることを期待している。