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レジリエンスの育て方:困難を乗り越えて成功を手にする10の鍵

この困難な時代において、レジリエンス(心の回復力)を育むことが急務となっています。嬉しいことに、このスキルは後天的に身につけられるものです!生まれつき備わっている必要はなく、レジリエンスを育む環境で育っていなくても大丈夫。年齢やこれまでの人生経験に関係なく、今日から始めることができます。

現在、ポストコロナの時代、世界中の紛争、低迷する経済状況が、人々の心に重くのしかかっています。 メディアの報道を聞いていると、すべてが絶望的に思えるかもしれません。 でも、それが本当に現実のすべてでしょうか?――いいえ、違います!私は、そうした困難にもかかわらず成功しているエステティシャンたちを知っています。彼女たちは家族との時間を犠牲にすることなく、月収3,000ユーロ以上を稼いでいるのです。 その秘訣とは?彼女たちは「レジリエンス(心の回復力)」を育む術を身につけているのです。実際、私自身も人生で最も厳しい時期にこの力に救われました。

私が学んだレッスン

インスティテュート(施術サロン)時代の経験から

私が元夫とともにインスティテュートを立ち上げたとき、私たちはまったくの起業初心者でした。彼は理学療法士、私は元書店員で、美容の資格を取ったばかり。私たちは、まず1台、次に2台、そして3台と機器への投資を始めました。

当時の私は「とにかくイノベーション第一主義」の一員でした。技術の新しさこそが、事業を成長させる鍵だと信じていたのです。そして確かに、それは「書面上では」うまくいっていました。売上は年々伸びていきました――でも、何を代償にしていたのでしょうか?

サロンは成功していた、でもその代償は?

私にはどんどん増える経費、従業員、そして終わりのない勤務時間がありました。サロンは順調に見えましたが、その裏には1日15時間、時には17時間働く生活がありました。まさに本末転倒でした。私は、健康も、家族との時間も、この仕事への情熱さえも犠牲にしていたのです。

ハムスターの回し車のように、走り続けていると、立ち止まって考える時間がなくなります。走り続け、なんとかやり過ごし、「休むこと」や「研修を受けること」を後回しにしてしまいます。それらが「コストになる」とか「売上が下がる」と考えてしまうからです。

電撃的な転機

2012年、私の体がついに悲鳴を上げました。8か月間の療養、そして左腕の機能を失ったのです。それでも私は、1日10時間の仕事を続けていました。しかし2015年、すべてが崩壊しました。父の死、そして私自身が癌を宣告され、2店舗目のインスティテュートには10万ユーロの借金がのしかかっていたのです。この一連の試練は、まさに電撃的な転機となりました。私は、自分自身と自分のビジネスについて深く見つめ直す作業を始めました。

ここでは、私が再起することを可能にしてくれた「10のカギ」をご紹介します。

レジリエンスを育むための10のカギ

1. 自分自身をよく知ること

最初のステップは、自分の強み、限界、そして快適領域(コンフォートゾーン)を理解することです。

2016年、手術後に私は1日のスケジュールを見直し、自分の心身のニーズを優先する生活を始めました。サロンは正午から営業。 午前中は、自分自身のためのルーティンに充てました。運動、心拍の一貫性を整える呼吸法(コヒーレンス・カーディアック)、瞑想、読書などです。

自分自身を深く知れば知るほど、人生の予期せぬ出来事にどう反応すべきかを前もって見極められるようになります。

2. 自分の身体を大切にすること

私たちはしばしば、身体こそが最も大切な「道具」であることを忘れてしまいがちで、多くの人が身体をないがしろにしています。

私自身、身をもって「身体を大切にすることの重要性」を学びました。手をかけ、丁寧にケアしましょう。それは一生使う、あなた自身の「乗り物」なのです。身体の健康を最優先にしましょう。 健康がなければ、レジリエンスもあり得ないのです。

3. ポジティブな思考を育てる

私は毎日「3つの幸せ(3 kiffs)」を実践しています。

その日に自分に喜びをもたらしてくれたことを3つ書き出すのです。これによって、たとえ危機の中にいても、脳はポジティブな側面に意識を向けるようになります。これは単なる「良いアイデア」ではありません。 神経生物学によって、この習慣が脳の神経回路を強化し、レジリエンスを高めることが証明されているのです。

ある晩、私は施術室を清潔に保ってくれる「スポンジ」にすら感謝しました。 そのおかげで衛生が守られていたからです。このような“ささいな存在”にも、感謝の気持ちは芽生えるのです。

4. 柔軟な思考力を育む

レジリエンスとは、「変化」を脅威ではなくチャンスとして受け入れることでもあります。

2016年、私は自分のビジネスを再構築しました。自分に合わない施術メニューはやめ、ネイルや脱毛サービスの多くを終了しました。そして、本当に情熱を感じる分野――痩身とアンチエイジングに集中し、 一人ひとりに寄り添う個別対応型のサービスを展開するようにしました。

5. 心拍の一貫性(コヒーレンス・カーディアック)を実践する

呼吸を通じて感情を鎮め、内面的な安心感を高めましょう。 癌から回復する過程で、私は1日3回、5分間の「コヒーレンス・カーディアック」を日課にしました。このシンプルかつパワフルなツールは、私にとってまさに「啓示」でした。

6. 継続的な学びに投資する

長年、私は新しいマシンや施術技術の習得にばかり時間を使っていました。しかし、それだけでは足りなかったのです。

私は気づきました。人生を「受け身で耐える」のではなく「能動的に切り開く」ためには、 感情知性、人間関係スキル、整理整頓力といった「ソフトスキル」の向上が不可欠であると。これらのスキルは脳を活性化し、自信を育ててくれます。

7. ポジティブなネットワークに身を置く

自分を高めてくれるグループに参加しましょう。価値観を共有できる人たちと交流することは、「オキシトシン」という重要なホルモンの分泌を促します。このホルモンは感情を鎮め、自信を高めてくれます。

私はこれまでもずっとネットワークに所属してきましたが、最近は「自分を高めてくれる」グループを意識的に選ぶようになりました。それが、私が立ち上げた「Physiobellコミュニティ」の理念でもあります。

8. 現実的な目標を設定する

2016年、借金を抱えていた私は、詳細な逆算スケジュール(レトロプランニング)を立てました。毎月、毎週、毎日、やるべきことを明確に決めていたのです。「小さな一歩の理論」があったからこそ、膨大な課題に押し潰されることなく前に進むことができました。

高い山を前にすると怖くなるかもしれません。でも大切なのは、目の前の一歩だけに集中することです。

9. 試練に意味を見出す

困難を、チャンスに変えてみましょう。私が何年も闘ってきたこの経験は、「自分の体を尊重すること」、「本当に大切なものに立ち返ること」、「美容の世界に自分が提供できる価値を見極めること」を教えてくれました。

10. 自分自身に対して忍耐強くなる

レジリエンスとは「プロセス」です。私たちは1年でできることを過大評価しがちですが、5年かけて達成できることは過小評価しがちです。「小さな一歩の理論」を実践していると、 次に踏み出すべき一歩に集中することができ、やがて何年か経って振り返ったときに、自分がどれだけのことを成し遂げたかに気づくのです。

再起した自分を誇りに思ってください

もし今、あなたが困難な時期を過ごしているなら、ここで紹介した「10のカギ」を一つずつ試してみてください。1年後、2年後、きっとあなたはこう言えるようになります。「この危機があったからこそ、私は成長し、学び、人生を変えることができた」と。

では――あなた自身の変革を始める準備はできていますか?

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FLORENCE ANSAR

FLORENCE ANSAR

コーチングスペシャリスト

フランス雑誌『Les Nouvelles Esthétiques』の寄稿者であり、エステティックコーチングのパイオニアです。哲学修士号と美容分野のCAP資格を取得後、Neuro-estheticsスクールを創設し、スリミングやボディトリートメントのトレーニングを提供する中で、心と体の相乗効果を探求してきました。2018年以降は、美容、神経科学、コーチングを融合させた最先端のトレーニングプログラムを設計し、専門知識を提供しています。また、トレーニング組織「Physiobell」を創設し、eラーニングモジュールを開発。さらに、エステティック界初となるフランス語圏のカンファレンスを立ち上げ、医療と美容の専門家が一堂に会する場を提供し、ケア全体を再考・未来のトレンドを予測する機会を創出しています。

  1. AIでは代替できない価値とは?今エステティシャンに求められる“人間力”とウェルビーイング視点

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