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フッ素より効果大? 唾液の虫歯予防効果

山芋やオクラのねばねば成分として有名な「ムチン」は糖たんぱくの一種。動物の粘液の中にも存在し、ヒトの唾液には約0.5%が含まれているという。

米国微生物学会(American Society for Microbiology)は11月11日、唾液に含まれるムチンが虫歯予防に役立っているという最近の研究成果を紹介した。研究の詳細は「Applied and Environmental Microbiology」に掲載されている。

これまでの研究では、唾液に含まれるムチンの粘着性が虫歯菌を歯に定着させてしまうため、虫歯の原因を作りやすいとされていた。今回の研究論文の筆頭著者・米ハーバード大学の研究者Erica Shapiro Frenkel氏によると、奥歯や前歯の溝をプラスチック樹脂で埋めるシーラントや、フッ素の塗布よりも唾液ムチン(MUC5B)の方が虫歯予防に効果的である可能性があるという。

口の中の細菌ストレプトコッカス·ミュータンス(Streptococcus mutans)は、口腔バイオフィルムとよばれる微生物の集団を形成し、バイオフィルム中で増殖しながら、虫歯の直接の原因である歯のエナメル質を溶解する酸を作りだしている。唾液ムチンはこの菌を殺すのではなく、バイオフィルムの形成を妨害することで虫歯を予防する。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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