信頼で効果が増す鍼治療
2015.02.23
編集部
鍼治療は効くと信じている人で効果が高いという研究が2月12日、英国サウサンプトン大学サイトで発表された。研究の詳細は「Psychological Covariates of Longitudinal Changes in Back-related disability in Patients Undergoing Acupuncture」というタイトルで「Clinical Journal of Pain」誌3月号に掲載された。
新しい研究によると、腰痛への鍼治療の成功は心理的要因によるものが大きいらしい。サウサンプトン大学のFelicity Bishop博士らは、鍼治療で得られる結果の個人差-なぜ一部の人には効果が高いのか-についての研究を行った。
鍼治療を受ける485人の患者に対してアンケート調査を実施。アンケートは、治療前と治療開始2週間後、3か月後、6か月後に行い、心理的要因、臨床的および人口統計学的特性、腰痛障害の程度などを測定した。その結果、Bishop博士は「分析結果は、腰痛障害には一貫して心理的要因が関連していることを示した。鍼治療に期待が少ない人からは利益の報告が少なかった」とした。
鍼治療は、補完的な治療法の中で最も確立された形態の一つである。臨床ガイドラインで推奨されており、痛みを軽減するのを助けるという臨床試験報告もある。しかしこれまでの研究は鍼を挿入するという事実のみに焦点が置かれていた。今回の研究は、患者と鍼医師の信頼関係が治療の有効性を高める可能性を示している。