米国人女性、心臓病の認識不足で手遅れになる危険多し
2015.03.6
編集部
米国で55歳以下の女性の15,000人以上が毎年心臓病で死亡しており、同じ年齢層の男性と比較すると心臓発作で入院した後に死亡する患者数はほぼ2倍も多いというデータがある。イェール大学公衆衛生大学院のJudith Lichtman准教授は、若い女性は心臓病の兆候や症状の認識不足から手遅れになる危険性が高くなるという研究を“Cardiovascular Quality and Outcomes”に2月24日、発表した。
Lichtman准教授のリサーチグループが心臓発作の後に入院した30歳~55歳の女性30人に詳細なインタビュー調査を実施したところ、女性患者は大きな心臓発作の前に吐き気や腕の痛みという心臓発作の兆候を経験していた傾向が男性より高かった。小さな心臓発作をおこしていると疑われる場合でも、女性患者は胃酸過多と思い、医師に相談することを躊躇してしまったケースがあった。また、専門医が胃酸の逆流やガスからくる痛みと誤診したケースも報告された。
これらを踏まえて、Lichtman准教授は、女性は心臓病に関する予備知識を得ることや、専門医は高血圧やコレステロールのほか、心臓病の家族歴がある女性に特別な注意を払う必要があるのではないかと述べている。今回のインタビュー調査は予備的研究と位置づけられ、女性の心臓病患者の死亡率が男性患者より高い理由についてさらなる調査が進められる。