ドライアイにはクリルオイルサプリメントが効くという研究結果が11月8日、「Ophthalmology」オンライン版に掲載された。

軽度～中等度のドライアイ症状を有する患者60人を、プラセボ(オリーブオイル)、クリルオイル、魚油の3群ランダムに割り付けた。各サプリメントの摂取を90日間行い、期間中は月に１回の医師による診察を受けた。サプリメントの量は、プラセボ(オリーブ油1500mg/日)、クリルオイル(エイコサペンタエン酸[EPA] 945 mg/日+ドコサヘキサエン酸[DHA]510 mg/日)、魚油(EPA 1000 mg/日+ DHA 500 mg/日)だった。クリルオイルはクジラの主食としても有名な「オキアミ」から抽出されたオイルで、体内で脂肪の形成や貯蔵に関わるリン脂質を豊富に含む。

試験を完了した54人のデータを分析したところ、涙液浸透圧はプラセボと比較して、クリルオイルと魚油の両方で改善が見られ、涙液層破壊時間と眼球充血にも相対的な改善が見られた眼表面疾患指数[OSDI]スコアのベースラインからの平均変化では、プラセボと比較してクリルオイルのみで有意な低下が見られた。涙液中の炎症性サイトカインのインターロイキン17A量はプラセボと比べてクリルオイルで有意に少なかった。