オンワード、ココバイ等2社を買収、化粧品分野に新規参入

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2017.04.11

編集部

アパレルを中心に多角事業を展開する株式会社オンワードホールディングス(東京都中央区)は、オーガニック化粧品の販売会社株式会社ココバイ(東京都渋谷区)と製造会社の米イノベートオーガニクス(カリフォルニア州)2社の株式を取得(買収)して子会社化し、化粧品分野に新規参入した。ファッション事業の効率化を図り、化粧品事業との相乗効果を発揮しながら5年後にも化粧品売上高100億円(小売りベース)を目指す計画。

同社が買収したココバイは、2009年11月創業のオーガニック・ナチュラル追求型の化粧品販売会社。バス&ボディケアアイテムやオーガニックスキンケア、男性用ナチュラル・スキンケアなどをネット通販中心に展開。また、米イノベートオーガニクスは、米農務省のオーガニック認証を取得して化粧品や育毛剤などを製造・販売。
いずれも2社は、天然由来の成分を使ったヘアケア商品や化粧品を日米市場で「ザ・プロダクト」(写真)の統一ブランドで展開し、オーガニック志向の顧客層およびヘアスタイリスト等のプロフェッショナルから高い支持を得てきた。

同社が今年の2月に両社を買収して化粧品分野に新規参入したのは、「生活文化企業を標榜する2社の経営理念と合致したこと。同時に、オーガニック化粧品分野へ本格参入することで、ライフスタイル領域の拡充を図り事業領域の拡大が期待できる」と判断して今回の株式取得を決定した。株式取得額は、非公開としているが2社合わせた株式取得は、約80%にのぼる見込み。
買収を契機に同社では、メンバーシッププログラム「オンワードメンバーズ」との連動やEC サイト「オンワード・クローゼット」での展開などを通じた顧客とのダイレクトコミュニケーションの強化を進める。同時に、104社にのぼるグループ企業の国内外ネットワークを活用して、百貨店や専門店などへの販売経路の拡大やアジアを中心としたグローバル展開などに取り組み、シナジーによる事業拡大を図る。
中期的目標として今後5年間で、化粧品事業を100億円の大台乗せを目標に、オーガニックやナチュラルをキーワードとした新しい価値やライフスタイルを提案して売り上げ目標を実現する方針。

ともあれ、同社の企業買収による化粧品分野への参入は、総売上高の94%を占めるアパレルの実店舗での販売不振による統廃合の一方で、EC(電子商取引)での取引拡大強化と合わせて、アパレルと親和性が高く消費構造が同じ化粧品を収益源に育てることで新規事業としての成長・発展に繋げる狙い。
化粧品事業の展開については、ココバイ社長のアレックス スッドCEOが担当する。今後の化粧品事業の動きが極めて注目される。

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