雪印メグミルク ガセリ菌SP株のRSウイルス感染防御効果を発表
2017.04.28
編集部
雪印メグミルク株式会社 (東京都新宿区 ) は、同社保有のプロバイオティクス乳酸菌ガセリ菌SP株(Lactobacillus gasseri SBT2055)について、RSウイルスに対する感染防御効果の新たな知見を「日本農芸化学会2017年度大会」にて発表した。
RSウイルス(RSV:Respiratory syncytial virus)は、乳児期の肺炎や細気管支炎などを引き起こすウイルスとして知られており、その対策が世界的な公衆衛生上の重要な課題の一つだ。
研究では、ガセリ菌SP株のRSウイルス感染防御効果を評価した。
ヒト喉頭がん由来細胞にRSウイルスを感染させると、細胞内でRSウイルスが増殖し、感染による炎症マーカーの遺伝子発現量が増加した。一方、ガセリ菌SP株を添加して培養した細胞では、RSウイルスの増殖が抑えられ、炎症マーカーの遺伝子発現量も抑制さた。マウス肺由来細胞を用いた場合にも同様に、ガセリ菌SP株の添加によりRSウイルスの増殖が抑制された。
次に、マウスへのRSウイルス感染試験を行ったところ、ガセリ菌SP株を摂取しない群では感染に伴い肺でのRSウイルスの力価が増加して体重が減少したのに対し、ガセリ菌SP株を経口摂取した群ではRSウイルスの力価の上昇が強く抑制され、体重が増加することが分かった。
これらの結果から、ガセリ菌SP株には、RSウイルスに対する感染防御効果を有することが示唆された。