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食品の健康効果は「栄養素の合計」だけでは測れない

食べ物は栄養素の合計だけで考えるべきではないという研究論文が、「American Journal of Clinical Nutrition」5月号に掲載された。

デンマークのコペンハーゲン大学、栄養・運動・スポーツ学部のTanja Kongerslev博士らによる今回の研究では、食品の栄養価は個々の栄養素の合計ではなく、食品全体で評価する必要があるというもの。栄養素とその相互作用の重要性についての理解を大きく変えるべきであり、現在の栄養学、また実際の栄養表示についての再考も提案している。

今回は乳製品の食品構造および栄養素(食品マトリックス)について、非公開で専門家によるワークショップが開催された。乳製品と心血管疾患(脳卒中や心筋梗塞など)、また糖尿病には正の関連はなく、チーズやヨーグルトのような発酵乳製品では逆の相関を示しているという違いがある。ワークショップでは、異なる乳製品では異なる代謝効果、健康への影響と関連していることを明らかにした。乳製品中に含まれる栄養素間の相互作用は乳製品の種類によって異なる。乳製品の栄養価は栄養成分と同等とみなされるべきではなく、食品構造内の栄養素の機能について考慮されるべきであるとしている。

Kongerslev博士は、摂取した食品の体への影響が、なぜ成分表示から予測される効果と異なるのかという長い間の疑問への回答が提示できたと考えている。「食品を”食べる”ことと、個々の栄養素を摂取することとは違う。栄養素相互の、また一緒に摂取するほかの食品との相互の影響も考慮すべき」と博士らは述べている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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