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食後の脂肪燃焼は脳の「スイッチ」切り替えで

脂肪燃焼のため、食後に切り替わる脳の「スイッチ」があるという研究が8月1日、オーストラリアのモナシュ大学公式サイトに掲載された。研究の詳細は「Cell Metabolism」オンラインに掲載されている。同大学のバイオメディシン・ディスカバリー研究所(Biomedicine Discovery Institute)の研究者たちは、脳がエネルギー消費によって摂食を調整するメカニズムを発見した。これは、肥満治療のための潜在的新規標的となると期待されている。

研究者らが発見した食後の肥満細胞には、脳の「スイッチ」が関係しているという。食後に起こる血糖値の上昇に脳が応答することで、体内でインスリンが追加分泌される。その後、脳は摂取したエネルギーを消費するために脂肪の褐変(白色細胞の褐色細胞化)を促進する信号を送る。一方、空腹時にはエネルギーを貯蔵するため、脳は褐変させた脂肪細胞を白色の脂肪細胞にもう一度変換するように信号を送る。これらのプロセスは、摂食と絶食に応答して過剰な体重増加と過剰な体重減少の両方を防ぐのに役立っている。研究者らは、インスリンに対する応答を抑制し、褐変をコントロールすることでエネルギー消費を増加させることができるとした。

同研究所教授のTony Tiganis博士は「肥満の状況では、スイッチは常にオンのまま」と語った。「その結果褐変は起こらず、エネルギー消費は常に少ない。したがって、体重増加が促進される」。脳が白色脂肪組織の褐変をどのように調整するかを示す研究者によるこれまでの調査は、2015年初頭に発表され注目を集めていた。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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