麻木久仁子さん「薬膳は自分との対話」、薬膳本を刊行

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2018.02.19

編集部

タレントで国際薬膳師の麻木久仁子さんの著書『ゆらいだら、薬膳』(光文社)刊行記念イベントが18日、都内で開催され、麻木さんは参加者を前に、薬膳を始めるようになった経緯や薬膳の魅力などについて存分に語った。

冒頭、行われたトークショーでは、自身の脳梗塞や乳がんなどの苦い経験を振り返り、普段の食生活を見直すことに至った経緯を説明。色々な方法を探る中で、「長続きできるものがないかと探しているうちに薬膳と出会った」(麻木さん)。

薬膳は、中国の伝統医学である「中医学」の理論に基づき、特別な生薬を使わずとも日常の食材で作ることができる料理で、その時の体調や季節の変化に合わせて調理することを特徴とする。「秋の食材は、私の年代では一年食べても良い」(麻木さん)といい、50歳を超えた世代に特徴的な“乾燥”しやすい体に対しては、潤すことの大切さを強調。「自分の人生の秋をどう過ごすか。そう考えると秋も楽しい」(同)とユーモアを交えて薬膳の特性を紹介した。

また、年齢に相応しい食材の選び方として、例えば寒い時期については「(体を温める力の強い)唐辛子よりは(ゆるく温める)生姜を使いつつ、豆腐や牡蠣などで体を潤すのが55歳の食べ方」(麻木さん)と薬膳的な考え方を紹介した。

薬膳では、体を冷やす食物を避け、温めることを重要視する。「朝、スムージーを飲む人も多いが、実は果物は体を冷やす。これからエンジンをかけようという時に水をぶっかけるようなもの。できれば、15時のおやつの時間などに飲むようにした方が良い」(麻木さん)と摂取する時間帯の大切さにも言及した。

普段の食養生については、「季節の食材は、ほぼその時の人間の体に合っている」(麻木さん)として、旬の食物を摂取することが薬膳でもあると指摘。さらに「信号の色に白黒を足した5色の食材を整えると、大体薬膳的なバランスがとれる」(同)。これに、その人の年齢や体調などに合った食材を「ちょい足し」(同)すると、その人に合った薬膳となる。

さらに、中医学では、怒りや悲しみ、喜びなどの感情のコントロールも養生に大切な要素と考える。毎日忙しい生活の中で、たまの週末にはゆったりと食事を楽しむ気持ちの余裕が必要として、「土鍋を使って時間をかけてゆっくり煮込む」(麻木さん)薬膳料理も心を休めて、翌週の仕事を頑張るという気持ちになることができる。「薬膳は自分との対話」(同)と薬膳の奥深い魅力を表現した。

『ゆらいだら、薬膳』では、日常の薬膳、季節の薬膳、朝のおかゆ、土鍋を使った薬膳、お茶だけの薬膳など様々なパータンのレシピが豊富に紹介されている。また、体を温める或いは冷やす食材の早見表も付いており、毎日のメニューに簡単に役立てることができる。

参考リンク
『ゆらいだら、薬膳』

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