牛の飼料の違いが牛乳中の不和脂肪酸の構成に影響するという研究結果が2月28日、「Food Science & Nutrition」オンラインに掲載された。

自然に近い状況で育つという牧草飼育牛の牛乳や肉に対する需要は、消費者の健康によいことと動物福祉への観点から世界的に増加している。今回の調査は、米国全地域調査で3年間にわたって採取された1,163種類の牛乳サンプルから約100％牧草飼育ベースの牛からの牛乳の脂肪酸プロファイルを定量化し、従来の飼育環境およびオーガニック飼料（有機的管理下）の牛からの牛乳と比較した。脂肪酸プロファイルは、オメガ-6 /オメガ3比（より低いことが望ましい）、およびオメガ3、共役リノール酸および長鎖オメガ3多価不飽和脂肪酸の総量について調査した。

オメガ6 /オメガ3の比は、牧草、オーガニック、従来飼育の牛乳で、それぞれ0.95、2.28、5.77だった。100ｇ中の全オメガ3レベルは0.049g、0.032g、0.020g、総共役リノール酸レベルは0.043g、0.023g、0.019g、エイコサペンタエン酸レベルは0.0036g、0.0033g、0.0025g だった。多くの他のオメガ3脂肪酸および共役リノール酸源となる食品（青魚やごま、くるみなど）と比較して、牛乳は1人当たりの消費が高いため、飼料の違いによる脂肪酸バランスを考えることは、心臓血管および他の代謝疾患のリスクを潜在的に低下させる可能性が考えられる。