重度肥満の死亡リスクと関連する因子を特定
2018.03.23
国際部
英国の国民保健サービス(NHS)による臨床診療研究データリンク(Clinical Practice Research Datalink)から、重度肥満者における全死亡予測因子を特定した結果が3月8日、「Annals of Surgery」オンラインに掲載された。
データに登録されたBMI35kg/m2以上の肥満患者の記録18万7061例を対象に症例対照解析を実施した。全死亡例を臨床評価項目として特定し、コックス比例ハザードモデルを用いて、さまざまな患者因子に関してハザード比を算定した。追跡期間中央値は98.0カ月(範囲3.0-1095.0カ月)中に、8655例(4.6%)が死亡した。ベースラインの肥満診断時から死亡までの期間の中央値は、137.0カ月(範囲3.0-628.7カ月)だった。
多変量解析により、肥満手術が全死亡のリスク低下と関連していることが示された(ハザード比0.487、P<0.001)。死亡リスク上昇と独立して関連していたのは、男性(同1.805、P<0.001)、BMI60以上(同2.541、P<0.001)、高血圧(同2.108、P<0.001)、糖尿病(同2.766、P<0.001)、高脂血症(同1.641、P<0.001)だった。肥満手術および生活習慣病対策活動などの利用をしやすくすることで、重度肥満患者の予後が改善されることが示唆された。