生のスギナ摂取で重度の低ナトリウム血症を発症
2018.06.4
国際部
生のスギナをミキサーにかけたジュースを飲んだ後、重度の低ナトリウム血症を発症した症例報告が5月29日、「Annals of Internal Medicine」オンラインに掲載された。
報告はオランダ・ハーグ市にあるHagaHospitalからのもの。患者は32歳の女性だった。女性は、食用となる植物についての講座を受講し、その後、地元の森で植物の採取を行った。その際に採取したスギナ(Horsetail)をミキサーにかけてつくったジュースを飲用した。スギナ・ジュース摂取の2時間後、女性は不安感を感じて病院の救急部を受診。重度の低ナトリウム血症と診断された。
その形状から日本ではスギナ、英語圏ではHorsetail(馬の尾)と呼ばれるこの多年生植物は、繁殖力が強く、駆除が困難な雑草として知られている。また、春先に地下茎から現れる胞子茎はツクシとして有名。ツクシはゆでてアクを抜いてお浸し、卵とじなどに調理、食用とされている。また。ツクシは春の季語でもある。スギナは干して茶の原料としたり、入浴剤や化粧品材料として利用されている。スギナを乾燥させたものは問荊(もんけい)と呼ばれ、清熱・涼血・止咳・利尿効果のある生薬とされる。