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プロバイオティクスは「善玉菌」とは限らない

最新の「オーガン・オン・チップ技術」を用いた研究で、プロバイオティクスは必ずしも善玉菌ではないことを示した研究内容が10月25日、米国テキサス大学オースティン校からプレスリリースされた。研究の詳細は「Proceedings of the National Academy of Sciences」に掲載されている。

オーガン・オン・チップ技術は、組織や臓器構造をモデル化しチップ上に形成する技術。実験動物の使用が抑制でき、生体外での臓器の機能解析も可能なことから、最近注目されている。今回、同校では「腸炎症オン・チップ」を制作し、疾患の発症メカニズム研究の実施に初めて成功。腸壁の破壊が消化管炎症の発症開始となることを確認した。研究を主導した同校生物医学部のHyun Jung Kim助教授は「腸内の特定の状態をカスタマイズすることで、疾患の原因を確立することができた。根本原因を突き止めることができれば、最も適切な治療法をより正確に決定することができる」と語った。

また、今回の知見では、プロバイオティクスの健康への有効な効果は腸壁に依存していることがわかった。研究に参加した医用生体工学のWoojung Shin博士は、「消化管障壁が損傷すると、プロバイオティクスは他のバクテリアと同じように、腸の障壁を傷つける。腸の障壁が健康であればプロバイオティックは有益だが、損傷している場合は益よりも害を引き起こす可能性がある」と述べている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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