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経口ニキビ薬は皮膚微生物叢に影響する

ニキビ治療の経口抗菌薬と皮膚微生物叢の関連を研究した論文が213日、「JAMA Dermatology」オンラインに掲載された。この研究は、経口ニキビ治療薬の処方が増加している現状を受けて、治療薬によるアクネ菌の増減のみではなく、他の皮膚常在菌への影響も検討しようとするもの。2014211日から923日まで米国メリーランド州の学術紹介センターで実施された縦断的コホートによる研究が行われた。

参加者は、女性のニキビ患者4人。経口、局所に関わらず、最近のニキビ治療歴はない患者だった。参加者には、経口ミノサイクリン100mgが124週間処方された。額、頬、およびあごの皮膚領域のサンプリングを研究開始前、ミノサイクリン治療を開始してから4週間後、そして治療を中止してから1週間後および8週間後に行い、16SリボソームRNA遺伝子配列決定で分析した。

その結果、経口ミノサイクリンで4週間の治療を受けた後の皮膚微生物叢の調査では、アクネ菌(Cutibacterium acnes)の相対存在量の有意な減少が認められた。その後 8週間の治療中止後、アクネ菌全体の量は回復したが、感染症の原因ともなるストレプトコッカス種は有意に増加し、皮膚のpHを健康に保つ働きがあると言われているラクトバチルス種の有意な減少が見られた。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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