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にきびの病因に食品包装のプラスチックの可能性

内分泌かく乱物質がにきびの病因となり得るという研究結果が8月11日、「Journal of Cosmetic Dermatology」オンラインに掲載された。

主にプラスチックの原料として利用されているビスフェノールAは、日常生活で接触、摂取する可能性の最も高い内分泌かく乱物質である。今回の研究では、ビスフェノールAが成人のにきびの発症と重症度に影響を与えるかどうかを調査した。皮膚科外来を受診したにきびのある成人51人と健康な対照50人を評価した。ビスフェノールA曝露の状態は各人の食生活と生活習慣を含む質問票から推定。ビスフェノールAおよびビスフェノールAグルクロニドは、各人の最初の朝の尿サンプルからLC-MS/MSシステムを用いて分析した。統計的有意性はp<0.05に設定した。

その結果、総ビスフェノールAの中央値は、対照グループと比較してにきびグループで有意に高かった。にきびの重症度は、ビスフェノールA値と正の相関が見られた。にきびの発症年齢が若いほどビスフェノールAレベルが高いことも判明した。質問票の評価からは、ビスフェノールA曝露リスクにグループ間差は見られなかった。今回の結果から、ビスフェノールAはにきびの発症とその重症度の要因である可能性が認められた。ジャンクフードやプラスチック製のボトル入り飲料などの工業製品がより頻繁に使用される青年期および青年期後のビスフェノールA曝露を防ぎ、意識を高めることが有益である可能性が示唆された。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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