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究極のプラセンタ。その効果は?

胎盤を意味するplacenta(プラセンタ)とギリシア語で「食べる」を意味する言葉から成る造語が「placentophagy」。これは、犬、猫、牛などの動物に通常見られる、出産後のメスによる胎盤を食べる行為を指している。ヒトにおいても、出産後に自分の胎盤を食べると、産後うつやその他の不快な症状の緩和に効果があるとして2007年ごろから話題になっている。インターネット上では、「胎盤ピザ」や「胎盤シェイク」などの調理法や画像などを見ることができる。

この胎盤食の効果についての研究を調査した結果が6月4日、「Archives of Women’s Mental Health」オンライン版に掲載された。

1950-2014年に出版された論文を検索し、ヒトの胎盤を摂取した研究49件を選出した。先進国の少数の女性では、産後うつ病のリスクを軽減し、うつからの回復促進のために胎盤の摂取を行っていた。痛みを軽減する研究はヒトでは行われていなかった。胎盤の摂取によって、子宮収縮、女性ホルモン(エストロゲン)サイクルの再開および母乳の出を良くするかどうかについては、効果を示す決定的な研究がなかった。

研究者らは、出産後の女性に対する胎盤摂取の健康上の利点とリスクは、生食か調理済みのものか、カプセル化したものかなどについて、さらに研究が必要としている。

「placentophagy」は現在、胎盤が母親に有益なホルモンおよび栄養素を供給すると主張する一部の支持者によってサポートされている。しかし、これを有効とする決定的な証拠を示す研究はまだないようだ。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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