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中医学のブランド化で日本生薬の権利保護が重要

DSCF6386一般社団法人漢方産業化推進研究会(東京都千代田区)の第1回会員向けセミナーが22日、開催され、千葉大学 医学部附属病院 和漢診療科 診療教授の並木隆雄氏が、「ISO/ TC249(中医学標準化技術委員会)の最新事情」について講演した。

6月1日~4日に中国北京で開催されたTC249第6回全体会議において、暫定タイトルであった「Traditional Chinese Medicine」(TCM)を再検討。決戦投票(日本は棄権)が強行され、TCMを推奨することが議決された。ただし、6月18日~19日に開催されたISO/TMB(技術管理評議会)のScopeからは「TCM」の文言は削除された。

また、Resolution記載に関する対応策としては、日本から2点を提案。1つは各ワーキンググループ(WG)で優先順位を決定するための基準を作成すること、もう1つは新規提案時にForm4に加えて作業原案(Working Draft)を添付することを提案した。

WGにおいては、日本からの提案数を増やしているものの、生薬に関わるWG1では中国からの案件が多数あり、日本提案がなく、「日本のヤマトトウキやミシマサイコなどについて策略が必要」(並木氏)と懸念が示された。

 並木氏は、日本産の生薬が中国など海外に輸出できるように、生産を奨励して増やしていく必要性を強調。これに併せて、ISOでの権利保護を訴えた。また、日本漢方の定義を確立させて、中医学との違いをはっきり明確化すべきだとした。

さらに、中国提案の質の低さに触れ、「薬が効かないとか副作用があるといったことが起きると伝統医学は危ないとされて、かえって自分の首を絞めることになるので、日本の良心を発揮して、質の良いものを作るように監視していくことが大切だ」と訴えた。

同セミナーでは会員から、TCMのブランド化により、日本の生薬が受ける影響を懸念する声が出た。これに対して、別の会員からは、種苗登録することを勧める意見が出た。「仮に訴訟になっても、UPOV(植物の新品種の保護に関する国際条約)が優先される。ISOで今後どう動こうと、あまり心配する必要はない」との見方も示された。

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