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太陽なしでも安全に小麦色の肌にするSIK阻害剤

紫外線で皮膚を傷つけることなく色素沈着できる方法が開発されたことが6月13日、アメリカのマサチューセッツ総合病院からのプレスリリースで発表された。詳細は「Cell Reports」オンライン版に掲載された。

マサチューセッツ総合病院(MGH)とダナファーバー癌研究所(DFCI)の研究者たちは、紫外線(UV)の害を及ぼすことなくヒトの皮膚の色素沈着を増加させる方法を開発した。研究は、UVによる皮膚損傷やがん形成を防ぐ新しい方法につながる可能性があるという。

2006年「Nature」誌発表の研究では、色素沈着を起こしにくいマウスを対象にした試験で、フォルスコリンという薬剤の投与による色素沈着を確認している。しかし、ヒトを対象とした試験ではフォルスコリンの効果を示すことができなかった。今回の試験は、2006年の試験のフォローアップとなるものである。

色素沈着にかかわるタンパク質の転写を調節することが知られる、塩誘導性キナーゼ(SIK)と呼ばれる酵素がある。今回はこのSIK阻害薬を用いて、培養ヒト皮膚サンプル上に色素沈着を成功させた。「皮膚への全身曝露やUV曝露を必要とせずに、人間の皮膚に暗色の色素産生を誘導できる可能性に期待している」とハーバード大学医学部教授、またハーバード大学皮膚科学研究所(CBRC) ディレクターでもあるFisher氏は述べている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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