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ニキビへの光線力学療法、有効性示せず

尋常性ざ瘡(ニキビ)に対する光線力学治療の評価を行った研究結果が10月16日、「British Journal of Dermatology」オンラインに掲載された。光線力学治療とは光感受性物質に特定の波長のレーザー光を照射する治療法で、日本では肺がんや子宮頸がん、加齢黄斑症などに保険適応されている。

1件の研究(対象266人、エビデンスの質:低い)での、アミノレブリン酸(ALA)を用い青色光で活性化した光線力学療法(PDT)とビヒクルを用い青色光で活性化した光線力学療法(PDT)との比較の結果、患者評価では、わずか、または差なしと出た。しかし別の研究(対象180人)では、赤色光で活性化した場合、20%ALA-PDTは15%ALA-PDTより有効ではなかったが、10%および5%ALA-PDTより優れていることが示された。3つの研究(対象360人、エビデンスの質:中程度)から得られたプールされたデータからは、病変数の変化に対する効果は、赤色光で活性化されたメチルアミノレブリン酸PDTと赤色光とプラセボクリームで同等であることが示された。いくつかの研究では、黄色光とプラセボまたは治療なし、治療薬なしの赤外光、金ミクロ粒子懸濁液、ビヒクル、クリンダマイシン/ベンゾイルペルオキシド(C / BPO)とパルス色素レーザーまたはC / BPOのみなどの比較を行っていたが、いずれも臨床的に有意な効果を示さなかった。

これらの結果から、ニキビへの光線力学療法の評価には、標準化された転帰指標を用いて、一般的な治療を比較対照として入念に計画された試験が必要とされた。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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