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全粒粉豊富な食事が「慢性炎症」を抑制する

糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病の発症や進行、また身体の老化を早める引き金となることで注目されている「慢性炎症」。全粒粉が多い食生活が、この慢性炎症を抑える効果があるかもしれないという研究成果が11月1日、「Gut」オンラインに掲載された。

今回の試験は、メタボリック症候群発症リスクのあるデンマーク人60人による無作為化クロスオーバー試験。全粒粉豊富な食事と精製粉粒主体の食事摂取各8週間を交代で実施した。評価は腸内微生物組成およびインスリン感受性、グルコースおよび脂質代謝、腸機能を表す炎症マーカー、身体測定および尿代謝測定で行った。

50名の参加者がそれぞれの期間を完了した。精製穀粒と比較して、全粒粉はグルコース恒常性に変化を与えず、糞便中微生物叢にも大きな変化を与えなかった。呼気水素、血漿短鎖脂肪酸、食物の腸通過時間にも影響を与えなかった。一方で、体重、血清炎症マーカーインターロイキン(IL)-6、C反応性タンパク質の検査値は良好だった。この結果は、全粒粉(特にライ麦)の摂取量と相関し、摂取量が多いほど良好だった。以上の結果から、全穀物豊富な食事がインスリン感受性および腸内微生物叢を変化させず、体重および全身性低悪性炎症を減少させることがわかった。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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