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関節サプリメントのコンドロイチンで黒色腫増殖

関節強化のための栄養補助食品コンドロイチン(届出表示名:コンドロイチン硫酸)が、悪性黒色腫の増殖を促進する可能性を持つという研究結果が3月15日、米Emory Universityの健康科学学部からプレスリリースされた。研究の詳細は「Molecular Cell」に掲載された。

マウスによる実験では、コンドロイチンの黒色腫細胞増殖作用は、黒色腫の約半数が持つV600E遺伝子変異にのみ反応が確認されている。現在のところ、この作用はヒトでは確認されていないが、黒色腫のリスクが高い人にとってはサプリメントの潜在的危険性の警告となった。軟骨の構造成分であるコンドロイチン硫酸は、グルコサミンやヒアルロン酸などとの組み合わせで、変形性関節症の治療に推奨されている。また、高い保水機能を持つことから、同様の組み合わせは美容液成分としても利用されている。

同大学Winship Cancer Institute腫瘍学教授のChen氏は「コンドロイチン硫酸を摂取するV600E突然変異を含む前癌性病変を有する者が、これらの癌細胞の増殖を促進させる可能性があり、コンドロイチン硫酸を摂取するV600E陽性癌患者で癌再発リスクが高い可能性がある」と述べている。なお、Chen教授の研究室では以前にも、高脂肪・低炭水化物の「ケトジェニック」食でV600E黒色腫細胞の増殖が促進されたことを確認している。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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