しあわせな経営をめざす先生のための集客・売上アップはじめの一歩時代に関係なく、価格ではない選択肢で選ばれる(売れる)理由とは?

2013.08.9

コラム

admin

弊社「えつらく」では類似のエステ・美容系サイトと比較して、客単価の高いコースが比較的人気のようです。そこで今回は、価格競争に参加しなくても、売れているサロンがあるのはなぜか? 単なる価格アップではない、その秘密の「一部」を具体的なところで探っていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

価格について考える場合にもまずはマーケティング戦略ありき

まずは、客単価の具体的な数字を見てみたいと思います。
弊社「えつらく」のクライアント実績から、平素は加盟店様以外非公開データですが、特別にご紹介させていただきます。

2013年の月別平均客単価の推移(えつらく)

●2013年の月別平均客単価の推移(※出典:弊社えつらく・全国総合)

このデータは、全国の加盟サロンの送客実績から算出したもの。当然ですが、各サロンごとの数字には個別差があります。また弊社えつらくの特徴としては、客単価5,000円以下のコースは全体的に選ばれにくい傾向があります。

では、お値段を上げておけばいいのか?といえばそれほど単純ではありません。そういえる理由(根拠)として、2つの理由を挙げたいと思います。

1.  掲載媒体ごとに戦略を持っている。
同一のサロンでほぼ同じ内容のコースを、いくつかのWEB媒体に掲載されているケースはよくあります。その場合の媒体ごとの内容と、弊社えつらくでの実績を調べてみますと、ほとんど同じ内容のコースでお値段が高い場合は、選ばれにくくなっています。

今どきのお客様は、ご予約前には必ず1つではなくいくつかのWEB媒体をチェックしてから選んでいることが明らかなのです。お客様は賢く事前にネットでリサーチをされていることが多い、と理解しておきたいと思います。

2. サロンの目指す戦略に沿って、掲載媒体を選別している。
もうひとつ、単なる値上げだけでは効果が出せない根拠として、サロンが目指すマーケティング戦略に沿って、媒体を選択し、その媒体の特性をよく理解し、利用できているかどうかで結果が違っている点です。

たとえば、WEBサイトのTOPページに入った瞬間から、激安プライスの数字がズラっと並んでいるようなマーケティング手法を使う媒体の場合、どちらかといえば数字(安いか)で選んでくるユーザーがほとんどではないでしょうか。

今回のコラムのテーマである、「価格だけでない部分で選ばれる」ためには、媒体選びにも戦略が必要になることがわかります。

わたくしどもの経験からですが、WEB上のマーケティング戦略、たとえばブランディング戦略でいえば、スタートアップの時期から目指していく戦略は、徐々にそのブランドを好むお客様と、そのブランドを支持して掲載されるサロンの間で長期間をかけて育っていき、そのWEBサイトの特性が醸成されていく部分も大きいです。

時間がかかるぶん、行き交う顧客層が明確になっていき、掲載サロンへのご送客後の結果やリピーター化する顧客からもたらされる結果も、戦略に沿ったものになっていきます。

またサロンオーナー様にヒヤリングしてみると、実際の顧客層を実感いただくと、そのマーケティング戦略の意味も価値もご理解いただくことが多いです。

1社のホームページではなかなかできない価値観の醸成を、同じ価値観(美意識)を持つお客様が行き交う場所(WEBサイト)を選ぶことで、そのWEBサイトが発信するイメージやブランディング戦略を相互に共有、浸透させていける点が、媒体を利用する大きな理由のひとつになっているかと思います。

わかりやすくいえば、雑誌メディアのブランディングにも似ているとわたくしは考えます。女性ファッション誌が好きな方もいらっしゃれば、家庭的な雑誌がお好きな方もいらっしゃるでしょう。エステサロンや美容系のWEBサイトなら、「癒し」を主に目的としたサイトもありますし、「お試し」だけを集めたもの、「口コミ」を集めたものが売り、「毎月のクーポン」を集めたもの、などそれぞれに特性があります。

そのそれぞれの特性と、先生のサロンが目指すマーケティング戦略が、その目的に沿った、ご来店いただいて将来のリピーターとして獲得していきたい顧客層にマッチしているのかどうかを、確認してみる必要があります。いくつかの媒体を利用されることも多いかと思いますので、その媒体ごとの戦略も見直してみることをおすすめします。

このことを先に申し上げる理由は、価格について考える場合に、まずはマーケティング戦略ありき。そのうえで、価格戦略を考えていく、というステップが大切だからです。

この順番を間違えたまま、単に値段を上げればいいという大きな誤解をしてしまいますと、せっかくの広告媒体の効果も望みにくくなります。

 

価格以外のどんな部分で選ばれている?

それではいよいよ、当コラムの一番の「ツボ」の部分に入っていきたいと思います。
弊社のクライアント様の事例から、以下9つのポイントが挙げられます。

<価格以外で選ばれているサロン、コースの特性とは?

それぞれの着目ポイントを見ていきましょう。

(1)   「他の媒体に載せていない内容のコース」
これは先に述べたとおり、マーケティング戦略や媒体特性にマッチしている、という点が前提となっています。他に載せていないコースを考える際には、まずその媒体の特性や顧客層のニーズに、ぜひ気を付けてみてください。

(2)  「夏の期間だけ、など季節に合わせてつくられたサロンオリジナルのコース」
手間暇がかかるかもしれませんが、媒体によって集客できる顧客層(客層)が違う点を考慮して、季節のニーズやサロンの売り(得意なもの)を織り込んだオリジナルのメニューを用意しておくサロンでは、平常時より反響を得られている傾向があります。

(3)  「ニースが高いメニューを提供している。」
ここで、大切なポイントがあります。
それは、人気メニューだからといって、コロコロと他社の真似をして提供しているだけではない点です。そのコースの分野に特化なり得意としているサロンであって、なおかつ売れているメニューに絞り込んでいることがポイントです。

(4)  価格をもともと下げていない。(定価のみ)

(5)  都度払いで利用できる。

(6)  勧誘や強い販売がないことが明記されている。

(4)、(5)、(6)の場合、サロンによっては戦略が違ってくるかと思います。ただ、このようなシステムやコンセプトのあるサロンは、弊社クライアントの場合、選ばれやすい傾向があります。

(7)  コースの内容が具体的でくわしく説明されている。(※他社と比較して)
例:コースにより望める効果、施術の流れ、コースのこだわりや売り、 など

同じサロンでも掲載内容を変えた後に反響が落ちる場合があり、またその逆で、掲載内容を変えた後、反響が上がっていく場合があります。その違いをよく確認していますと、ひとつの理由に、(7)がありました。

以前にも当コラムで書かせていただきましたが、エステティックサロンや美容クリニックをご利用されるお客様の場合、目に見えるモノを購入される場合と違って、ご予約の意思決定までに時間がかかりやすい傾向があります。

WEBを見て衝動的に予約してくる、というより、2度3度同じWEBページを訪れて(おそらくお目当て以外の他のサロンもいくつかチェックをされて)ページに再来訪してからお申込み(エントリー)をしてくる傾向があります。(※弊社えつらくの場合です。)

そういった動きから、お客様は来店前に、より具体的なサロンやコースのイメージ、そのコースを受けてみたい!というニーズや欲求を喚起できるような説明文があったほうが、予約につながりやすい、ということがわかってきます。

(8)  WEBページの更新頻度が高い。
最後に、せっかく費用をかけて御利用されるWEB媒体を、効果的に使いこなしたいという場合に、特に気を付けておきたい点について。

サロンからすると、まだ反響としてつながっていない(反応がない)潜在顧客層が、日々、WEBを通じてアクセスをしてきていても、予約や問い合わせという結果につながらないとなかなか「WEBページが見られている」とイメージしにくいかと思います。

ですが、 (7)でも述べましたように、まだ予約するかどうか決めかねている顧客がWEB上からアクセスされている可能性があっても、もし数か月、同じ掲載内容を載せていたとしたら、いかがでしょう?

「選ばれる」ためには、すぐに結果が出ない見込み客に全く気づいていない、ということがないようにしたいものです。24時間365日、休まず先生の代わりに営業してくれるインターネット、特に目的意識の高いユーザーが集まっているWEB媒体を、もっと大切に利用してみてはいかがでしょうか。

(9)  魅力的なコピーや文言を使っている。
ここでは前回お伝えしましたが「営業の観点」をふまえながら、考えていきます。

営業の観点からも大きな役割を担ってくるのが「コピーや文言」。その理由と、ターゲットに対して魅力的な表現につながるヒントについて、掘り下げて考えてみたいと思います。

まずは、サロン経営での「営業」について、再確認してみます。

 

ターゲットの顧客層へのアプローチ方法と魅力的なコピーとは

9-(A) サロン経営における「営業」には、2つのステップがあります。

ステップ1. 見込み顧客を呼び込む「マーケティング」
ステップ2. 来店した見込み顧客が実際リピーターとなっていただくための「営業」

の2つです。

つまりステップ1では、魅力的なマーケティングで「お客様を、サロンに連れてくる」こと、そしてステップ2では、サロンで「お客様にご来店いただき、売上げが上がり、リピーターとして育てていくこと」です。

第4回コラムでお話ししましたように、お客さまは自分からほしくなる前にアプローチされるとだいたい嫌われます。逆に欲しくなったときにアプローチが遅れるとライバルに奪われます。ですので、お客さまのほうから欲しいタイミングに「自主的に」買っていただく流れ(仕組み)を作っておく、ということがとても重要となります。

この流れを作るために、「低価格合戦で無理やり集客する」という「捨て身の技」に出て結果を焦ると典型的な失敗パターンとなりがちです。

自主的な顧客を集めるためには「押し売りしない」マーケティングスタイルが理想的であろうとわたくしは考えます。もっと簡単にいえば「買いたい」お客様だけが集まるように仕組みを考えていくのです。

9-(B) お客さまから自主来店いただける流れを作る、マーケティング戦略

自主来店には「媒体などの記事に興味を持って来るスタイル」、「インターネットを見て来るスタイル」、「看板などを見て来店するスタイル」、「口コミ」などが挙げられます。

何れの場合も、こちらからプッシュしたのではなく、お客さまが関心を持って初めからやってきます。

ただし、先述のように低価格を武器に集める集客は「安い価格」というプッシュ要因(押し売り要因)を持っているので注意が必要となります。低価格戦略は、価格だけに興味のあるお客様が圧倒的に多くなる傾向が高いからです。

したがって「割引クーポン」などの発行をすると、来店数が増えて充実感を持つことは出来ますが、このやり方はジリ貧コースの代表格。安売りはわたくしが今回コラムでお伝えしたい「自主来店のマーケティングスタイル」には入らないことをどうぞ十分ご注意ください。

9-(C) ずばりマーケティング戦略は、「コピー」が重要

こういった営業における観点から、価格競争での勝負ではないマーケティング戦略を考えるうえで重要となってくるのが、魅力的な「コピー」なのです。

ここで申し上げるコピーとは、お客様の自主来店を促す「言葉を使った戦略」のこと。

広告のコピーだけ、ではありません。サロンの魅力をお伝えする言葉にもちろん広告のコピーもありますが、サロン名、商品のネーミングなど様々な「ことば」があります。ターゲットが明確な場合、サロン名だけでも集客できてしまうこともあります。

一般的には「あなたはうちのサロンにぴったりの顧客です」と思わせるコピーがいいと思われており、一般的に受けの良いコピーが出来上がっても飛ばず鳴かずとなっている場合があります。ここでターゲット顧客層のセグメントが重要となります。ターゲットに当てはまるお客さま像を、コピーという道具を使って選択していく発想が必要になるのです。これを「切り捨てコピー」とわたくしは呼んでいます。

通常はより多くの顧客にきてもらいたいという一般的な判断から(実は判断をすることもないのかもしれません…)、より一般受けするコピーを選びます。そうではなく、ターゲットを明確にした上で、ターゲット以外のお客様を切り捨てていくくらいの気概を持ったコピーが、ターゲット層を集めるためには効果的ということなのです。

つまり、コピーとはターゲット層に巡り合う、一番早い手段です。一般受けする「言葉」を考えることではありません。ターゲットを絞り込み、ターゲット層の感情に響くコピーが効果的です。

ターゲット層の感情を刺激して売上に繋げることがコピーには求められるからです。感情パワーを使うのは最も効率的で早いです。

次に、コピーを使ってターゲットの感情を高める際の典型的な誤解と、具体例を見ていくことにしましょう。

 

ターゲットの感情を高める際の典型的な誤解

特別意識をくすぐるコピーはある一定レベルでは大変効果的ですが、やりすぎると特別意識が持てないお客様も集めてしまうと同時に、本当の利益に直結する顧客層が逃げていってしまい大変になります。

特別意識をくすぐる際には、このバランスを取ることが大変重要になります。普段から特別意識がない顧客層には有効な特別意識の刺激ですが、この感情を煽られて財布の紐が緩んでも、この層のサービス購入に割ける資金量の限界が低いという大矛盾がある場合を忘れてはなりません。

「特別意識」という感情をくすぐる以外には、「一体感」という感情をくすぐる方法が代表的です。例えば「同じ出身地」、「同じ大学出身」などはすぐに一体感が広がります。先生のプロフィールを公開して、顧客に一体感を持っていただきご来店いただくことも効果的ですが、こうした一体感を意図的に醸造する方法には、やはりインターネットの活用など、コピーを超えた様々な早い集客方法を利用する必要があります。

コピーを広告代理店任せにしているオーナー様は、ぜひご自身でコピーを考えることもご検討ください。代理店のコピーはどうしても「広く浅く」のコピーになりがちです。ひどいところになると雛型があって店名を変えるだけのケースも多くあります。自分のサロンのターゲット層を知っているのは、代理店ではなくオーナー自身です。

また、サロンの目指すターゲット層でコピーは随分変わってきますので、「どうも顧客の感情を刺激するいいコピーが思いつかない」という先生は、よろしければ直接わたくしどもにご相談ください。

 

一般的な常識がサロン集客の成功となるとは限らない

今回の最後に、最近、わたくしがクライアント様からお聞きしたお話を、ご参考になれればと思い、「おすそわけ」いたします。

その経営者様は複数店舗を展開しているサロンのオーナーですが、もともと個人でサロンを開業した当初、広告や宣伝に資金を投入していませんでした。そこで、何を使ったかといえば、コストを抑えられるインターネットだったそうです。

その先生独自の戦略ですので、あまりくわしくはお話しできませんが、インターネットだけで口コミや問い合わせを受け付け、その悩みに答えるためのサービスを展開して順調に法人化、社員を抱えるまでわずか数年で目標達成を果たされています。

また、今でも、だそうですが、みなさまがよくご存じのfacebookやTwitter経由ではないのです。もちろん、現在はさまざまな美容専門の媒体をご利用になっています。

ですので、流行りや一般的なメディアからの情報ばかりが、世の中のすべてではないんだなあ、と改めて実感させていただいたエピソードです。

実際、わたくしどもえつらくでも「一部の」お客様は、(たとえばある程度地位や知名度のある方、一流企業などのキャリア女性の方など)は、facebook経由でアクセスしてきたりはなさいません。

ですので、一般的に今の常識だと思われているSNSでのPRマーケティングも、もしかしたら自社のターゲットのお客様のお気持ち、そのお客様がしてほしいことと、合わないケースもあるかもしれないと感じています。(あくまでも、わたくしどもの経験から申し上げています。)

まだまだわたくしも日々勉強しながらですが、ご愛読のみなさまに少しでもお役に立てましたら幸いに思っております。次回もどうぞ、お楽しみに。

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