しあわせな経営をめざす先生のための集客・売上アップはじめの一歩これからの時代に勝つための、「新しい集客・マーケティング戦略」

2013.07.10

コラム

admin

いよいよ夏本番。7月に入り、お忙しい毎日をお過ごしのことと存じます。

過剰なあふれる情報の中から、ターゲットのお客様に先生のサロンを選んでいただくこと。それがマーケティング戦略の第1の目標となります。

今回は、「これからの時代に勝つための「新しい集客・マーケティング戦略」を予定していますが、より具体的に実践につなげていただきたいと考え、予定していました内容を若干変更して、戦略を考える前に必要な素養と思われる現在のWEBマーケティングでの考え方や、実行前~必要になるステップなどを、ご一緒に考えていきたいと思います。

「なぜ、必要とされているのか?(Why)」の価値を考える。

そもそも、「マーケティング戦略」とは何でしょうか。

「マーケティング戦略」とは、経営戦略のうち、5つの分野の中の1つで、サービスや商品を売れるよう調査し、調整をすることを言います。

ここでわかりやすく、童話の「北風と太陽」を思い出してみましょう。この童話は、どちらも「人々に洋服を脱いでもらうこと」が目的でしたね。

第1回目コラムでもお伝えしていますとおり、企業やサロンからプッシュ型の売り込みは嫌われる傾向にありますが、この童話では、北風が冷たい風を吹かせれば吹かせるほど、ますます人は洋服をしっかり着込んでしまい、北風の目的(人々の洋服を脱がせること)を拒否されてしまいます。

それとは反対に、じわじわと太陽があたたかく人々を温めれば、人々は自ら洋服を脱いでいきます。太陽の目的は、快く受け入れてもらえます。

この太陽の方法が、「これからの時代に勝つための」広告やWEBマーケティングでの基本的な考え方や取組みと同じ考え方になります。たとえば、目先の結果を優先した、激安クーポン販売などは、どちらかといえば先の北風のやり方に近いかもしれません。

「お客様の共感を誘うこと」や、じわじわとお客様の心を動かしお客様自らの行動を促す、太陽のマーケティング戦略は、長期的な視点に立った場合の経営の成功につながりやすく、また、現在のSNSなどを含めたWEBマーケティング戦略の主流の考え方になっています。

ここで、ご参考までに、広告業界で有名な資料がありますので、(先生はご存じかもしれませんが)ご紹介します。

下のグラフをざっくりご覧ください。(資料は、公開されているもので平成13年~18年のデータとなります。)

第4回えつらくコラム図1

※上記のグラフをわかりやすくまとめたものが下のグラフです。

※当コラムのテーマである「インターネット」でグラフを作成しています。

第4回えつらくコラム図2

(参照:総務省情報通信政策研究所)

注目したいのは、「情報流通量」(お客様がアクセスできる「選択可能情報量」)が爆発的に多くなっている(380倍)ものの、「消費可能情報量」(お客様が選択可能で消費できる量)(180倍)が追い付いていない点。

企業やサロンが届けたいターゲットに、情報がなかなか届かない「過剰選択肢の時代」に入っている、ということがわかります。

次に、下記のグラフをご覧ください。

第四回えつらくコラム図3

注目したい点としては、

・多方向のコミュニケーションから情報収集に長けたお客様が増えている、
・チャンネルの多様化(インターネットに限らずメディア・媒体を含みます)によりお客様の行動がますます複雑化していること、

が考えられること。

現在のインターネットを通じたエステティックサロンの集客では、このように「情報があふれる中で、届けたい情報を埋もれさせずに、確実にターゲットに届けること」のために、どうしたらいいのか?という視点での戦略の必要性が問われはじめているのです。

単純にいえることは、ホームページやブログなどを立ち上げてWEBからの発信をスタートしただけでは、不足な点が多くあること。わたくしは勉強で広告業界関係の講習会などに参加する機会がありますが、あるWEB広告の研究によれば、「1部門でWEBサイトやモバイルサイトを作成、運用する時期は終焉した」とすらいわれているくらいです。たとえ大企業であれ、生半可な状況ではないことがわかります。

マーケティング戦略上の本質的な考え方として、

「どうしたら必要とされるのか?(How=北風の売り込み)」よりも、

「なぜ、必要とされているのか?(Why=太陽のじわじわ)」の価値を考えることが、ますます重要となってきているのが、少しおわかりいただけましたでしょうか。

Facebookでわかるヒントって?

最近、マーケティング戦略でよく耳にする言葉に、「共感」「共創」や、「共成長マーケティング」という言葉があります。先生はもうご存知かもしれませんが、少し考えてみたいと思います。

先生は、Facebookをご利用されていますか。投稿欄に出ている言葉が、以前とちょっと変わっていることに、お気づきでしたでしょうか。

「今どんな気持ち?」

という言葉。ここにも最先端のWEBマーケティング戦略で大切にされている考え方のヒントが隠されています。

そうです。「お客様の気持ちを聴くこと。」なんです。

先生のサロンの一番のファン(コアファン)となってくれそうな人たちの声や、その方たちがどう思うか?第3回コラムでもお伝えしましたが、お客様の感情を大切にすることが戦略上、重要となります。また既存のファンがいるなら、その既存のコアファンの方たちとの長期的、継続的な戦略が重要となっていきます。

「お客様の気持ちを動かせるかどうか?」。

たとえ企業であっても、お客様と「対個人としてのつながり」や、ひとりひとりのお客様の気持ちを大切にしていくこと、また「ロングエンゲージメント」という考え方(企業とファンとの関係性を長期的に築いていくこと)が、マーケティング戦略上、重要とされてきているのです。

その理由として、冒頭でご紹介した「過剰な情報の中から、確実に情報をターゲットに届けること」が第1に挙げられます。

エステティックサロンでいえば、接客(その後の売上や顧客化への流れ)での考え方と全く同じ意味になりますね。

次に、具体的に戦略を立てるうえでのステップを考えていきます。

【これから勝つためのマーケティング戦略を立てる~実行までのステップ~】

  1. 1.   目的・目標を明確にする。

まずは、これから達成したいことや、目指すべき状況を明確にしていきます。たとえば、インターネット経由での売り上げを伸ばす、アクセス数を伸ばす、など。

  1. 2.   ターゲット(コアファン)を見つける。

昔から使われる年齢層やエリア別でのセグメントではなく、あくまでも先生のサロンで一番コアなファン(先生にとって大切にしたいお客様)を発見していきます。

その理由は、年齢や住所でのセグメント(分類)がターゲットとして当てはまらない場合があるためで、あくまでもとらわれないことが大切だからです。もし、ここでよくわからなければ、実際にファン(ターゲットとなりそうなお客様)にお話をお聞きすることもおすすめです。

なぜ、このようなことをするのか?といえば、くりかえしになりますが、サロンや企業からの一方的な理念や視点ではなく、あくまでも「ターゲット(受け手)の視点を発見していくこと」が戦略上、勝つために重要な視点となっていくからです。

そしてそのコアファンが心を動かすであろう、「価値観」を発見していきます。

その「価値観」を基にして、さらに具体的な戦略や施策を練り上げていきます。

  1. 3.   成長(目標達成)までに、今、どの段階にいるのか?

マーケティング戦略のスタートから成長段階まで、大きく分けたステップを想定していきます。そこで今、どの段階にいるのかを確認してみましょう。そのうえで、達成までのストーリーをデザインしていきます。

(1)   立ち上げ期・・・集客をスタートしてお客様が集まり始める。

(2)  浸透期・・・お客様がお客様を連れてくる(紹介や口コミ)。

(3)  普及期・・・サロンの認知度が上がっていく。

(4) 自走期・・・ファンが勝手に宣伝してくれる、ファンから提案や意見が増えてくる。 

  1. 4.  ポリシー

マーケティング戦略をスタートする前に、特にスタッフや組織で運用していく場合のガイドラインを先に作成していきます。

また第1~3回コラムでもお話をしていますが、お客様はインターネットであれ、サロンの「振る舞い」や「メッセージ(文脈)」にはとても敏感に感じるものだということも、忘れないようにしていきましょう。

  1. 5.   知見を溜めていく。

ホームページやブログ、WEB媒体の掲載・運用スタート後は、アクセス数、投稿やアップデート(更新)に対するレスポンス(反応)、その後の成果などの知見をためていきます。

ここで得ていくインサイト(データ)を基に、次のメッセージや訴求点、掲載情報などに活用していきます。ここで、いくつか注意点があります。

(1). お客様のすべての意見を聞いて、答えていくわけではないこと。

「いやなお客様ほど大事にしなさい、」という方も中にはいます。確かにそうかもしれません。ぜひ、一度そうしてみてください。先生が経営者で顧客と直接の接点がなかったとしても、サロンに出勤するのが朝起きるたびに嫌になり、苦痛となることを、お約束します。

間接、直接を問わず、ターゲットではないお客様とつきあうことのエネルギー損失はとても大きい。

そして、どんなにいやだから来ないでという光線を発しても、サロンにはそういったお客様は入ってきてしまいます。拒んでも入ってくるのですがわたくしの経験から100人中5人ほどは入り込みます。そして、ターゲットではないお客様のいうことは厳しいことも多いのですが、核心をついていてもっともなこともあります。そこで、その意見を参考にして、戦略を改善しましょう。そうすればその他95%のお客様の満足度を、さらにアップさせることができます。

ですが、その方のお名前は、先生のターゲットのリストからは真っ先にはずしましょう。経営者の感情はとても大切です。マイナスの感情を先生に与えるお客様は先生の成功の妨げになります。

(2). お互いを大切に思うこと(思えるような関係)が重要。

先述のように短期的な目先の効果ではなく、長期的、継続的な関係づくりが重要となっていきます。

・「だれかと喜びを共有したい」、
・「だれかと新しい価値観を創っていきたい」、
・「だれかと何かを達成していきたい」、など。

こういった社会の中の人間として本来持っている欲求やコミュニケーションにとって大切なもの、その普遍的な価値観が、インターネット上の戦略でも、自然とあらわれている時代といえるかとわたくしは思います。

(3). 「ほどよい距離感」をわきまえる。

とはいえ、お客様が、企業やサロンと毎日コミュニケーションをしたいという方のほうが、実際は少ないもの。日常の人間関係とは違い、当然、適度な距離感は必要となるかと思います。

(4). 戦略や理念に共感してもらうために

コアファンの方にとっての「価値観」を発見した後は、そのコアファンの方たちにとっての興味関心や、心理的に近い距離となれるような投稿、ふるまい、表現を心掛けていきましょう。

◎今回の最後に、わたくしが経営コンサルティングのクライアント様にいつもお伝えしている内容から、少しご参考までにご紹介します。

発想を見直しましょう。
「サロンもお客様も幸せになれる関係」

もしもこれから先、来てほしくないお客様に接客をしなくても先生のサロンが今以上に利益が倍増し、カリスマサロンとして成功したら、先生はどんな気持ちになるでしょう?

ターゲット顧客にもっと来店していただき、さらに利益を上げ、楽しく仕事ができるサロンに変革させるためには何をしたらいいのでしょうか?

わたくしはいつもお話していますが、無料体験、格安クーポンでの集客やその後の営業方法を、ここで一度、考え直してみてはいかがでしょうか。

お客様にしつこく営業すれば、時間と労力の無駄だけでなく、そこで不満に思ったお客様がのちのち悪い口コミを広げて先生のサロンに良くない評判を立てられるかもしれません。長期的に見ればほとんどメリットはありません。そしてそのようなお客様は、あまり続かずに来られなくなるケースがほとんどです。

これからは、先生にとって「つきあいたいターゲットのお客様」とのお付き合い、サービスや商品を快く買っていただけるような努力に重点をおいてみてはいかがでしょう。そのほうがよりサロンとお客様の関係は「相思相愛」の幸せな関係になり、先生もサロンのスタッフもお客様もハッピーになれます。

とは言っても、ただ黙って待っていては効果が出るのに時間がかかりすぎますし、その間のキャッシュフローが回らない場合も多いはずです。次回以降では、ターゲットにより早く巡り合えるための方法などについても、考えていきたいと思います。

「この夏を制する者は一年を制する」、という意気込みで、共にがんばってまいりましょう。次回もどうぞ、お楽しみに。

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