しあわせな経営をめざす先生のための集客・売上アップはじめの一歩収益を上げていくためのWEBマーケティング戦略

2013.09.10

コラム

admin

これからさらに進化と成熟が進むと予想されるエステティックサロン業界のWEBマーケティング戦略において、競争に勝ちつづけて収益を上げていくために、当連載コラム最終回第6回は、重要なポイントをまとめていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 マーケティング戦略には、「勝つためのツボ」がある。

 当コラムはエステティックサロン経営サイドだけでなく、ユーザー(一般のお客様)とサロンをつなぐ「媒体」から見た視点で、WEBマーケティング戦略をお話しさせていただいてきましたが、もしかしたらわかりにくい、とお感じになられた先生もおられたかもしれません。

そこで、マーケティング戦略をサロンでの「施術」にたとえてみます。おひとりひとりのお客様によって、お肌質、元々もって生まれた体質が違い、また現在の生活習慣、食生活、生活リズム、運動量、気にされているお悩みなどによって、必要な施術や、その効果の出し方、ご自宅での必要なケアが違いますね。

それと同じように、「エステティックサロンの集客・マーケティング戦略」とひとことで言っても、そのサロンによって「必要な戦略」(どこをどう改善したらもっと良くなる、もっと売り上げを上げられる、など)が違います。

それを「勝つためのツボ」とここでは呼んでみます。

「マーケティング戦略」にも効かせたい「勝つためのツボ」があり、それはサロンそれぞれに違います。そのために「このツボを押せば、絶対に良くなる!」という一律の答えがないのが、「戦略」でもあるのですが、それぞれの「効くツボ」がどこにあるのか、どうやってそのツボを探せばいいのか=「勝つための戦略」であり、それを見つけられたオーナー、独自の「勝つためのツボ」を探し当てたオーナーが、最終的には「マーケティング戦略で勝てるオーナー」です。またサロンの経営戦略は、集客・マーケティングだけをやっていればいいというわけでもないことも少しお話ししてきました。

これは、筆者が勝手に申し上げていることではなくて、ときどき筆者が読み返す(昔読んでいた)本のひとつに、BCG(ボストンコンサルティンググループ)日本代表の御立尚資氏の著書があるのですが、その中で「ユニークな戦略」の公式があります。ちょっとご紹介しますと

「ユニークな戦略」 = 「定石」+「インサイト」

この右側の「定石」とは、たとえば、大学院などで経営について学ぶことができる部分。そして、「インサイト」とは、誰かから学んだり誰かが教えることができない部分。結局のところ、経営での勝負とはこの「インサイト」が見つけられる(=ひらめき、気づきを得られる) ⇒「ユニークな戦略」が生まれる ⇒ 勝てる経営戦略、という公式。

では、「インサイト」を得るためにはどうしたらいいか?それは、実践で動いていくしか方法がなく、またそのためには実戦の中でしか鍛えることができない、とも御立氏はおっしゃっています。

ですので、「インターネットを利用したけど、すぐ結果が出ない」、「ブログもTwitterもやっているけどよくわからない」、と短期的に結論を出されている方をおみかけすることがありますが、「戦略」とはそもそも戦いながら変えていかなければならない部分も当然あるもので、また戦いながらしか鍛えられない(鍛えることができる)、というものだと思います。
また、うまくいく方法も、その時代やお客様のニーズ、お客様が本当に必要としていることよって、そのときどきで対応する必要のあるソリューションが違ってきます。

特にインターネットを使ったマーケティング戦略においては、目先の結果だけではなく、長期的な視点を持って取り組む必要もあることを(くりかえしになりますが)お伝えしておきます。(※第4回、第5回などご参照)

 

集客ははじめの一歩、本当の勝負はご来店後から

なぜ、「勝つためのツボ」のたとえをお話ししたかといえば、WEBマーケティング・集客はサロンを経営していくうえである一定数の新規顧客が常に必要だということ (第1回-1)、集客までのスピード感(第1回-1)、費用面(第3回)などで、サロンの収益化に貢献できる点が多く見込めること、等が理由として挙げられます。

一般ユーザーのネットリテラシーがますます高くなっている時代に、サロン集客にITを取り入れることは(利益を上げたいなら)当たり前としてやっておかなければならない(第4回)、その理由もお話ししました。

そして、集客して「ご来店後から」の収益化、リピーター化として顧客を獲得できるかが、それぞれのサロンの本当の力が発揮されるときです。あくまでも集客は「はじめの一歩」で、勝つための経営戦略のひとつに過ぎません。

サロン経営は「集客」⇒「売り上げ」となる仕組み、売上自動生成化の流れをいかに持っておけるのか?がとても大切で、それが経営戦略ということになります。集客・マーケティング戦略、利益を上げられるサービスや技術、商材、カウンセリングの技術、すべてが利益を上げていくために大切なポイントです。

もし今、WEBの集客やマーケティングでエージェント(広告代理店)にいわれるとおりにあらゆることを実践しているのに、思ったように売上が上がっていない、利益につながりにくい、という場合は、もっと総合的なご経営の見直しを考える必要性もあることを、率直に先に申し上げておきたいと思います。

 

「インターネットを使った集客」で、大切なポイントは?

前置きが長くなりましたが、第6回のテーマ「収益を上げていくためのWEBマーケティング戦略」の大切なポイントのまとめに入りましょう。

「WEBを使った集客・マーケティング」で、これから「最低限必要」だと思われる点、とても基礎的なことも含まれますが、以下9点を挙げていきたいと思います。復習だと思ってチェックしてみてください。

1. 目標達成までのスケジュールを決めておく。(※第4回)

2. 自社専用のドメイン(URL)を使った、ホームページを持っている。

3. ビジネス用に公開しているメールアドレスは、フリーアドレスを使わない。

自社のドメインでのメールアドレスのほうが、お客様から見て、より信用度や信頼感、安心感につながります。一般にITリテラシーの高いお客様は、(このことをお話しすることはないと思いますが)、チェックされている点です。

4. ホームページでは受付メールフォーム、もしくはメールアドレスを公開している。

エステやリラクサロン、美容クリニックを利用したいというお客様には、ご多忙な方も多くいらっしゃいます。営業時間外でも連絡がつくメールの手段を公開されていたほうが、よりお客様の獲得につながります。

逆に、メールを公開されていない場合、せっかくの新しいお客様とのつながりの可能性や、それだけでなく有益なビジネスの機会になり得る可能性も、みずから閉じてしまっていると考えても大げさではない時代ということも忘れないようにしたいものです。

5. WEBを利用した集客媒体を、何かしら利用する。

これは、特定の媒体を推奨するためではなく、ご経営されているエステティックサロンのサービスに興味があり、また美容に関心の高い見込み客を集客する手段として、自社のホームページだけではできない顧客層の開拓、エステティックや関連サービスを既によく利用されている顧客層を相互送客する手段、サロンのブランディング戦略、御社のターゲット層とのベストマッチを狙うための媒体として、インターネット媒体はサロン経営の収益化や効率化に貢献できるものとわたくしは考えています。

※ここで、「相互送客」という最近よくマーケティング業界で聞かれるキーワードについて、インターネット媒体でのその可能性について少し補足します。

「相互送客」とは、文字どおり店舗を利用する顧客を送客しあうことをいいますが、インターネットの媒体で考えられる送客パターンのうちいくつかの可能性から、当コラムでは以下2つを挙げておきます。

(1)   近隣エリアのサロン間での相互送客:

エンドユーザーにとって日常的に利用しやすいエリア内での相互送客。一般的には紙媒体(チラシやタウン誌、フリーペーパーなど)でも、ほとんどが(1)の効果を含めて利用できていることかと思います。

(2)   出張先、観光地での相互送客:

エンドユーザーにとっては普段足を運ばないことが多い、土地勘もあまりないことが多い場所で、エステや美容クリニックを予約される場合の相互送客があります。たとえば弊社えつらくでは、実績の送客数は当然ながら(1)より少ないものの、季節性や場所柄によって、実績に上乗せできている(2)の送客があります。

※例えば、地方のエリアのサロンへ、首都圏にお住いのユーザーが利用する場合やその逆で地方にお住いのユーザーが、都心部のサロンを予約されている場合など。

インターネットの媒体で面白いと思う点が、この(2)の相互送客かと思います。もちろん1度きりのお客様も多いかもしれませんが、中には定期的に(月1回や毎週など)地方と都心を行ったり来たりされるようなライフスタイルをされている方も今の時代は少なくありませんので、行動範囲の広いお客様が集客できる可能性もあるかもしれませんね。

6. SNSを「WEBマーケティング戦略のひとつ」として、何かしら利用する。

最近は、Ameblo,Twitter,FACEBOOK,LINE,Mixi,等、それぞれのSNSサイトでユーザーの特性が違うということが、データで明らかになっているようです。たとえば30代の独身女性は、既婚の方と比較してLINE利用率は差がないものの、FACEBOOKやmixiは好んで利用されている、のだとか。(※野村総合研究所/2012年調査/ 参照:日経ビジネスオンライン)

SNSを利用するにあたっても、広告媒体の選択と同じようにサロンが想定するターゲット層との親和性を考慮する必要があろうかと思います。すべてのSNSをそれぞれの特性に応じて利用し分けていく方法も、戦略としてあるかもしれません。

さらに(可能な限り)、それぞれの公開ページをカスタマイズ、必ずオーナーもしくは代表者の方のプロフィールや顔写真を公開しておくことをおすすめします。

SNSについて「WEBマーケティング戦略のひとつ」と表現した理由は、単にSNSをやっていればいい、ということではないからです。

・そのSNSは、いったい何を目標にしているのか?
・そもそも、なぜSNSを利用しているのか?

あくまでも最終目標が何なのか?を明確にして利用していくことを心掛けていきましょう。

7. インターネット経由でも「おもてなしの心」=プロとしてサービス精神を忘れない。

※コミュニケーションを洗練させる必要性を知っておく。(顧客ロイヤリティの醸成)
※必要に応じて、スタッフ共通マニュアル、定型文を用意しておく。(※第3回)

8. レスポンスの速さを上げる。(最低限、営業時間中はその日のうちに。)(※第3回)

9. 知見を貯めていき、それを次に活かしていく。(※第4回)

 

当コラムの最後に。

経営学を学ばれておられる先生に、わたくしどもが平素、弊社のクライアント様にお伝えしている戦略エッセンスの「一部」を最後にご紹介したいと思います。

「ターゲットを明確にするプロセス」(第4回、第5回)は、「収穫逓減モデル」(お客さまが増えていくと収益の伸びが悪化する)における「最適化」を計るということです。

最も効率がいい場所は、サロンの立地や地域の特性、人口分布や所得分布によって様々なので、これを先生の知見をベースに感覚で計算する「ニュアンス計算」が非常に効果を発揮します。ニュアンス計算にあたってはエステティック市場の本質を踏まえていることが大変重要で、統計的には把握不能な「非効率な市場」であることを前提とします。

そして、この「逓減モデル」はターゲット層がもともとそこにあるものと仮定の上、それが持続することを前提にした学術的な経営モデルです。

経営の実際の現場では、先生がターゲットを定めた時点で新しい顧客層が「創造され拡大していく」という3次元的な時間軸を概念に取り入れて、その効果をもっともっと意図的に活用していくべきです。

そして「どこの分野でこのモデルの絵を書くか」、ここが経営者の腕の見せ所になります。「追い風」が吹いているところこそ、ねらい目になるでしょう。

この考え方をいつの間にか忘れてしまって、盲目的に「集客最優先主義」となっている場合があります。特に今のエステ業界の一角では(全てではありませんが)、集客すればするほど儲からなくなっているケースもあります。本来はこの逓減モデルさえも通用しない「ターゲット市場」でビジネスの勝負は行われるべきではないか、とわたくしどもは考えておりますが、先生はいかがでしょうか。

わたくし自身ときどき考えますが、「初心を忘れず」、ご経営者である先生自身がしあわせになっていただくために、何かしらお役に立てていましたら幸いです。

事前に決まっていた期間ですが、これまでの6か月間、まだまだみなさまにお伝えしきれていない「サロン経営に関するナレッジ」やソリューソンなど、改めて気づいてきました。美容業界がより良く変化し進化する一翼を担うことを目指して、弊社Official総合サイト「ハッピーファーム」 http://www.happyfarm.co.jp やえつらく http://eturaku.jp 、まぐまぐメールマガジンなどを通じ、今後もお役に立てることができればうれしく思います。

また、当コラムを書かせていただく機会をいただきました、美容経済新聞社の花上社長をはじめ、スタッフのみなさまに心より感謝申し上げます。わたくし自身、新たな気持ちでエステティック・美容業界を見つめるきっかけとなりました。

お読みいただきましたみなさま、ご愛読ありがとうございました!

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