しあわせな経営をめざす先生のための集客・売上アップはじめの一歩売上につなげていくための、WEB上でのコミュニケーション

2013.06.8

コラム

admin

あっという間に一年の折り返し地点、6月に入りました。
夏に向けて、いよいよエステティックサロン業界では繁忙期。当コラムご愛読の先生も、お忙しい毎日をお過ごしのことと思います。
弊社えつらくではおかげさまで、先月5月はご予約エントリー(ご予約希望)件数ベースで前月対比188%、確定件数ベースで150%と堅調に伸びてきています。

インターネットで集客してから、いかにその後の、「売り上げ」につなげていくのか。サロン経営、マーケティングで肝心なのは、ただ単に集客するだけでなく、集客ができてから後のステップです。そこで今回は、「ネット集客で成果を出し、売り上げが伸びている素晴らしいサロン」の事例から、ネットでのお客様とのコミュニケーション、中でも最も基本的な「メール」を取りあげ、今すぐにでも実践できる内容をご一緒に考えてみたいと思います。

1. メールで伝える、おもてなしの心
~「プロフェッショナルとしてのレスポンス」編~

インターネット上でのコミュニケーションの洗練度 (レスポンスの速さ、メッセージの内容) は、サロンを繁盛させるために大切なはじめの一歩、戦略上の武器となりえます。
「CRM」(カスタマーリレーションシップ・マネジメント)の本質は、お客様とのコミュニケーションであり、お客様との関係性を作りあげ、ロイヤリティを形成し、生涯顧客価値を最大にすること、と言われていますね。

お客様とのコミュニケーションといえば、メール1通でも、ビジネス上では大切なコミュニケーションのひとつ。(※メール以外にも、たとえばホームページやブログ、TwitterやFACEBOOKなどSNS、WEB上から発信するメッセージは全て戦略上、大切なコミュニケーションと考えて間違いないかと思います。)

さてここでご質問です。
先生のパソコンには、毎日、数百通~それ以上の、さまざまなメールが届いているかと思います。その中から重要度を判断して、レスポンス(返信)するまでの時間は、だいたいどのくらいかかっているでしょうか。数時間、または数日でしょうか。

ネット集客で成果を出し、なおかつ売上が伸びている素晴らしいサロンが存在します。そういったサロンでは、集客・マーケティング戦略に対する意識の高さが、「メールへのレスポンスの速さ」にも表れています。そういったサロンでは、オーナーをはじめ、スタッフ全員がネット経由のコミュニケーションの重要性をよく理解されており、おもてなしのひとつとして徹底されています。

たとえば、お客様からのメール受信から、少なくても数時間で(半日以内位、早い場合は1時間以内の場合も)、お客様へレスポンスしています。
ですが、サロン業界では、まだネットに慣れていない方や、弊社のクライアントの中にも数日間パソコンを開けない、という方もまだまだ少なからずいらっしゃいます。

その場合、大切なお客様になりえる方や、ビジネス上で重要なメールがあっても、返信に数日かかってしまう、メールに全く気付いていない、ということがあります。

レスポンスが遅い、メールに全く返信がない、ということにご理解をいただける相手なら問題ない(かもしれません)が、携帯やスマホ、PCにほぼ毎日のように触れていて、日常的にインターネットを使いこなしている現代の多くの「お客様」の立場からすると、不便さや不快感を生じさせてしまう可能性があります。

オフィスや仕事でIT(パソコン)を使いこなしているお客様の場合、メール受信から返信までに数分でやりとりすることも当たり前の時代。メールへの返信が遅ければ遅いほど、エステに行きたくてお店の外で待っているお客様を逆に追い払っているのと同じくらい、マナー違反だと思っておいたほうがいいでしょう。

新規顧客の獲得費用は、既存顧客を維持する費用の5倍かかる、とも言われますね。

せっかく、多大な費用とその集客までの仕組みの構築から維持に長期間の労力を費やして、その一人の新しいお客様が集客できたにもかかわらず、(しかも数多くある中で、サロンを選んでいただけているにもかかわらず、)ビジネスにつながる可能性の高いお客様とのご縁をゼロにしてしまうことがないようにしたいものです。

先ほどご紹介した売上を伸ばしている素晴らしいサロンのように、全てのメールに数分や数時間以内で返信しなければならない、という意味ではありませんが、少なくともお客様からのメールには、その日の営業時間内なら、その日のうちに返信する、という程度のレスポンスの速さは、(サロンビジネスは、サービス業ですのでなおさら)必須ではないかとわたくしは思います。

もし、すぐに返信できない理由がある場合は、(どんな方にもよくわかるように)、受付時間をはっきりと明記しておくなど、お客様や有益なご縁になるかもしれない方への配慮を忘れないようにしておきたいものです。

ITを活用し効率よく集客していけるこれからの時代に、さらなる成功(繁盛)を望むなら、ネットでのコミュニケーションの大切さを、賢明な先生ならご理解いただけるかと思います。

ここで、具体的にレスポンスの遅さを改善したいときの方法としては、

レスポンスの遅さを改善する方法・具体例

・パソコンを常時開けないのであれば、お客様からのメールは、携帯やスマホでも受信できるように設定をする。

・サロンと本社(本部)が別の場所にある場合は、サロンだけでなく、本社にもメールが届くようにする(本社からもサポート・監視ができるようにする)。

・公休などシフト制の場合は、店長やマネージャー以外に複数のスタッフ(携帯やスマホ)にも、メールが届くようにする。

などが挙げられるかと思います。

2. メールで伝える、おもてなしの心
~「プロフェッショナルとしてのメッセージ」編~

次に「メッセージ編」としまして、具体的なメールの中身(本文)を見てみましょう。

メールでのコミュニケーションは、サロン内やお電話でお客様をお迎えし接客することと基本的に同じくらい大切な意味がある、ということは、先に述べたとおりです。

また、いいお客さま(エステティックに対し消費意欲が旺盛な顧客層)であればあるほど、洗練されたサービス対応を受けることに慣れており、またその欲求や要求も高いものです。

先日、某大学の大学院生の方とお話しする機会がありました。彼女はプライベートでエステをよく利用しており、お母様もエステに通われているとのこと。

彼女のエステティック業界に対する期待やサービスへの冷静な観察力、審美眼を知り、お客様の立場の方でも、サービスに対して先進的な感覚を持っている可能性もある、ということに気づきました。

そういった将来のエステティック業界に期待を持っていただいているこれからのお客様に対して、喜んでいただけるようなサービスをしていきたい、と改めて思った機会でした。

毎日、同じサロン、同じスタッフの中では気づかず、見えてこないことが多いかもしれませんが、売上を伸ばしている素晴らしいサロンでは、たった1通のメールのコミュニケーションにおいても、他のサロンより優れていることをぜひ知っていただきたいと思います。

いくつかヒントをご紹介しますと、

〇メール(メールでのコミュニケーション)の洗練度を高めるためのポイント

・メール文頭では、お名前がわかる場合はお客様のお名前を必ず書く。
(サロン内でお客様の「お名前」を必ずお呼びすることと同じ意味ですね。)

・事前にお伝えしておきたいことがあれば、わかりやすくメールでお伝えする。

・メール文末には、担当者名またはサロン名を入れて文章を結ぶ。
(サロン内で名札を付けて対応することと同じ意味ですね)

・敬称、敬語をきちんと使う。など。

メールで交わすコミュニケーションであっても、お電話やサロン内での接客接遇と同じように心配りをしましょう。目の前にお客様がいれば当たり前にできる敬語でも、(特にメールを打つこと自体、苦手な方の場合は)、ありえないような言葉づかいや、短いやりとりで済ませてしまっているケースをたびたび見ることがあります。

それなりの良質なサービスに慣れた、いいお客様にとって、メールの文章ひとつでも、そのサロンに対しての期待や満足度を左右する可能性があります。

メールだけではありませんが、(たとえばブログなどでも)インターネットで情報収集に慣れているお客様は、そのサロンについて大概事前にチェックしているもの。インターネットではお互いに顔も見えず、声も聞こえない分、コミュニケーションやその表現によっては、思わぬ誤解が生じてしまう場合もあります。誤解が生じやすい、という意味では、お電話や対面よりインターネットは「配慮や心配り」の有無に差が出てしまうようにも思います。

当然、お客様に与えるサロンの印象も、大きな差が出てしまうかもしれません。

もし、メールの対応や敬語の使いこなしにまだ慣れないスタッフが多い場合は、たとえばよくあるパターンに応じた「定型文」をメモ帳などでパソコン内に保存しておき、「予約OK」「予約お断り」などのケースバイケースで、その「定型文」をコピペ(コピーアンドペースト)して利用する、などの流れを事前に作っておいてもいいかと思います。

次に、「サロンでご予約を確かに承りました(予約確定しました)。」、という内容の返信メールの具体例を、2つご紹介します。

事例:お客様から予約希望が入り、予約OKと返信するときのメール

______________________
【Aサロンからのメール】
______________________

ご予約ありがとうございます。
お待ちしております。

______________________
【Bサロンからのメール】
______________________

〇〇〇〇(お客様のお名前) 様

この度は、ご予約誠にありがとうございます。
下記お時間にて、確かに承りました。
なお、当日は初回のカウンセリングやお着替えなどを含めまして
所要時間〇〇分ほどのお時間をご予定くださいませ。⇒(※その他、注意事項など)

それでは、当日の〇〇〇〇 様のご来店を、
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げております。
お気をつけてお越しくださいませ。

Bサロン 担当 △△(スタッフの名前)
______________________

上記の2つのメール、先生は読んでみていかがでしょうか。

Aサロンでは、予約がうれしいのかうれしくないのか、それとも忙しかったのか、ぶっきらぼうな返事に受け取られるかもしれません。来店前から、「このサロンで気持ちよく過ごせるだろうか」と、不安になるお客様もいるかもしれません。

Bサロンはどうでしょう。
自分の名前がきちんと把握されており、前後の予定に気を付けておきたい所要時間や、担当者の名前が入っているので、サロンからの配慮を感じさせます。「サロンで私を大切にしてくれそう」、と期待を持って来店を楽しみにしていただけるかもしれませんね。

せっかくサロンを利用するなら(サービスの質は同じ程度だったとしても)、お客様にとって心地よいほうが継続して選ばれやすいという点は、サービス業であれば当たり前のこと。

サロンによっては、カジュアルでフレンドリーな雰囲気が売りの場合もあるかもしれませんが、きちんとした敬語を使う、事前にわかりやすく注意事項をお伝えするなどで、まだお会いしていないお客様への配慮、心配りをメッセージに含めることができます。
まだお会いしていないお客様ですからなおさら、その方がベターな対応かと思います。

メールではこちらが思ってもいないような(どちらかといえばネガティブな意味で)受け取り方をされてしまう場合や、文章が冗長になってしまうと読みにくいため、きちんと全部読んでいただけない、などの場合もあります。

だからこそ、メールでの上手なコミュニケーションも、これからの時代の「おもてなしのひとつ」であり、マーケティング戦略上も大切な武器となることを強く意識して活用したいものです。

メールを書くときのポイントをまとめると…

1. 読みやすく  2. 読んで心地よく  3.あまり長すぎない文章に。
この3つのポイントが、メールでのマナーかと思います。

さて、今回のコラムの最後に、弊社の経営コンサルティングのクライアント様には「耳にタコができる」ほど、くりかえしお話ししている基本的な考え方について、いくつか補足でご紹介したいと思います。

【先生のターゲットのお客さまの満足度を高めるためには?
さらに技術や商品の価値を上げ、利益構造を磐石にしていくためには?】

技術がうまくても、サービスの効果がよくても、接客の質が悪ければ、お客さまは離れていきます。お客さまと長く良い関係を続けていくためには、「接客の質」を良くすることがとても大切です。

逆に言えば、接客の質が高くなれば商品やサービスの価値を高めることもできます。また、それに見合った売上を気持ちよくたくさん落としてくださる、いいお客さまが確実に増えていくことになりますが、注意しなくてはいけないのは、

「 上質な接客 = 高級なサービス 」 という図式が必ずしも成り立たない
・・・ということです。

だいぶ古い言い回しですが、「おすぎとピーコの金持ちA様、貧乏B様」ではないですが、お客様をキレイにしただけでは、サロンにつく(リピーターになる)とは限りません。

先生のサロンに来ることで癒され、「このサロンに来れば、また元気になれる」、「あのサロンのスタッフと話すと心が安らぐ」と思っていただけるからこそ、お客さまにサロンが支持されるようになるのです。ここが、金持ちA様サロンとB様サロンの大きな分かれ目となっていきます。

ですので、なによりもまず、お客さまを喜ばせてあげましょう。お客さまから「ありがとう」と言われることをしましょう。

「おもてなし」とは?

お客様にとっての期待以上の印象に残るサービスが、=「おもてなし」です。「先生やスタッフ(ご自身)が思う期待」をベースにしたものではありません。

おもてなしとは、「心」をつかむことです。もっと簡単に言えば「またこの店に来たい」と思っていただくことで、ご自分が嬉しいと思うことをして差し上げて充実感を持つということではありません。

このことは一般的に大きく誤解されていることが多いです。先生が嬉しくても、お客様がすでに経験ずみのサービスであればあまり満足されませんし、逆に先生が嬉しくないことでも、ターゲット層によって嬉しい、と思うこともあります。

また、サービスや接客の質には限度がないので、いつも同じようなサービスをしても、お客様はしだいに慣れてきて、最初は喜んでいただけたサービスでも、そのサービス自体を当然と思うようになるもの。また、横目でそのサービスを見るほかのお客様には、お店の「いっぱいいっぱい」のサービスを、最初から当たり前と思ってしまいます。

お客さまの期待以上の接客が必要となってきますから、ここを戦略もなく単に「サービスの質の向上ばかり」を目指していますと、サービスは常にインフレ状態になり、いつまで経っても儲かる仕組みが出来ず、コストが際限無く跳ね上がる経営構造になってしまいます。

サービスの向上を考えていくことは決して悪いことではありませんが、ここのさじ加減を間違えると、安売りしたりしつこくなったり「サービスとコスト」がどんどん追いつかなくなります。実際の接客の現場では、一見様お断りの高級料亭の女将さん的な、サービスのインフレをかわす力量が要求されてきますが、この部分をスタッフの個人的な力量に頼ると経営者の不安は更に増大します。

顧客の心をがっちりと捕まえてファンにしてしまうと同時に、際限のないお客様からのサービス要求をビジネス判断上から上手にかわすためには、「経営の仕組み」が必要です。

例えば、簡単なことでは、こんな方法があります。

すべてのお客様のお名前を覚えておき、ご挨拶するのが能力的に無理だというスタッフが紛れ込んでしまった場合でも、お客様にご満足いただけるように、例えば、フロント係が予約リストを見てお客様個人専用のタオルやお履物を準備しておく、専用カルテで担当エステティシャンがそれを見ればお名前を思い出す、などといった流れで、スタッフ個人の接客能力に頼らないでも回る経営者の「知恵と工夫」が必要となります。

ちなみに、世界3大ホテルのひとつ、シンガポールの「ラッフルズホテル」などでも採用されているこの個人タオル戦略は、「自分専用のタオル」という別の顧客の満足度が高まっていますし、個人タオルがない方との格差による「優越感による満足」には持続性が存在します。

これは個人の能力に頼るソフトサービスではなく、仕組みとしてのサービスがある程度の持続性を持って効果を発揮する一つのモデルパターンです。

御社で、今すぐにできるヒントがありましたでしょうか。ぜひ、読んで満足するだけでなく、行動に移して、今年の夏の繁忙期にしっかりと結果につなげてまいりましょう。

次回もどうぞ、お楽しみに。

 

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