【連載】医薬・創薬企業の化粧品事業②小林製薬、子会社ジュジュ化粧品中心に化粧品事業を展開

2017.06.2

特集

編集部

小林製薬株式会社(大阪府大阪市)の化粧品事業は、買収して子会社化したジュジュ化粧品株式会社(大阪府大阪市)を中心に展開している。子会社ジュジュ化粧品は、1946年に寿化学として都内で創業したのが起源。1961年にジュジュ化粧品に社名を変更した。2013年には、化粧品事業と不動産事業に会社分割を行い、化粧品事業会社の全株式を小林製薬に譲渡した。

小林製薬は、2014年4月にスキンケア専門の部隊を組織。以降、主力商品のシミを防ぐ「ケシミン」をはじめ、ニキビを防ぐ「オードムーゲ」、エイジング対策の「マダムジュジュ」(写真)などのブランド育成を強化した。さらに、ヒアルロン酸の肌への保湿効果に着目して長年、研究開発に取り組んできたジュジュ化粧品は、2015年3月に高分子ヒアルロン酸を約1nmまで小さくした「発酵ヒアルロン酸」が高い皮膚浸透性や皮膚の保湿作用などを有することを発見し、化粧品原料として有用であることを見出した。
同社が発酵ヒアルロン酸の研究成果として①構造の解明②高い皮膚浸透性③高い皮膚保湿作用④高い皮膚バリア機能回復の効果などを解明し、一連の研究成果を日本薬学会(2015年3月25日、28日開催)で発表した。

こうした発酵ヒアルロン酸の皮膚浸透性、皮膚の保湿作用などの機能を持つことを発見し、化粧品原料として有用であることを見出したことから、現在までメイク落としやクリームをはじめ化粧水、美容液、乳液、オールインワンジェルなど6品目の新化粧品を商品化し、代理店を通じてスーパーやドラッグストアなどに卸販売している。

現在、小林製薬は、国内グループ会社としてジュジュ化粧品をはじめ育毛剤、シャンプー等の製造販売を行うアロエ製薬株式会社(静岡県島田市)など18の企業と海外グループ会社としてカイロや日用雑貨等の事業を行う20の企業とでグループを形成。このうち、化粧品事業育成を目的に買収して4年になるジュジュ化粧品の成長と収益拡大に一段と期待がかかる。

小林製薬は、2014年3月にスキンケア事業を2018年春までに100億円の大台に乗せる目標値を打ち出している。また、中長期的な会社の経営戦略として、2017年12月期から2019年12月期までの3ヵ年中期経営計画を策定した。
中期経営計画のテーマを「実力ある成長」とし
①成長4事業の推進(海外事業・通販事業・スキンケア事業・漢方事業)
②将来のための成長投資
③新市場創造製品の開発と育成
④従業員が成長を実感できる企業の4つの戦略を打ち出し、次の成長へつなげる。

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