【連載】大手化粧品会社の研究⑭ジュジュ化粧品の会社研究 ~ジュジュ、小林製薬の系列化に、19年にスキンケア売上90億円目標~(上)

2018.03.29

特集

編集部

ジュジュ化粧品株式会社(大阪府茨木市・非上場、1946年創業)が小林製薬株式会社(大阪府大阪市)の系列下(子会社・連結決算対象)に入ったのは、今から(2018年3月)約5年前の2013年6月で、株式譲渡契約を締結したことに起因する。

ジュジュ化粧品が1946年に創業して以来、現在までにバイオヒアルロン酸を採用した高保湿スキンケア「アクアモイスト」シリーズやロングセラー商品「マダムジュジュ」(写真)などの化粧品を中心に事業展開(製造販売)してきた。
一方、小林製薬は、多様化する顧客ニーズに応えるためOTC医薬品、口腔衛生品、スキンケア製品といったヘルスケア分野を重点領域に位置づけるとともに、スキンケア分野においては、しみ、そばかすを防ぐ医薬部外品「ケシミン」やニキビ予防の医薬部外品「ビフナイト」ブランドを販売するなど、同分野への取り組み強化してきた。
そうした両社が事業展開する中で小林製薬が保持するマーケティング力、販売力、研究開発力とジュジュ化粧品が得意とするブランド力、研究開発力、製造技術ノウハウを相互に提供し合うことで相乗効果を発揮し、事業基盤の強化と収益の向上に繋げることを狙ってM&Aを実行。小林製薬がジュジュ化粧品の株式を譲渡して傘下に収めた。

ジュジュ化粧品を傘下に入れた小林製薬の2016年3月期における化粧品売上高(連結)は46憶7300万円。決算期をそれまでの3月期から12月期に移行した2017年12月期(連結決算)は、売上高1567億6100万円、営業利益241億9100億円、利益158億6300万円を実現。総売上高に占める化粧品売上高は、60憶4700万円と買収効果を如実に示した。現在、小林製薬のスキンケア売上高に占めるジュジュ化粧品のスキンケア売上比率は、約38%を占めると見られる。

小林製薬のスキンケア化粧品に賭ける意気込みは高い。同社は、2017年に2019年までの3ヵ年中期経営計画を策定し戦略の骨子として成長4事業を推進中。

中期計画では、売上高1650億円、営業利益230億円、利益170億円を目標に設定。この目標数値を達成するため、海外事業、通販事業、スキンケア事業、漢方事業の4分野を成長4事業に位置付けて取り組む計画。
海外事業は、北米、中国を中心にOTC医薬品(熱さまシート、カイロ等)の育成を図り2019年までに売上高270億円をめざす。また、通販事業を2019年までに120億円、漢方事業125億円を目指す計画。
ジュジュ化粧品が主体となって行うスキンケア事業については、ケシミン、オードムーゲに次ぐ第3、第4の柱として、スキンケアクリーム「マダムジュジュ」とスキンケアオイル「バイオイル」化粧品について販売を強化。2019年までに90億円の売り上げを目指す計画。表にジュジュ化粧品の会社概要を示す。

#

↑