資生堂、被災地支援の香りを開発~気分や睡眠の不調が緩和
2014.07.4
編集部
資生堂は、リラックス効果を有する香気成分や伝承的に睡眠不調に用いられてきた香気成分に加えて、岩手県大船渡市を代表する「椿」の花の香気成分を配合し、疲労時に落ち着きやくつろぎを感じる香りを新たに開発。被災地の同市で新たな香りを配合した化粧水状の試作品を試してもらったところ、気分や睡眠の不調に関する自覚症状が有意に緩和することを確認した。研究結果は、7月3日~4日に徳島県徳島市で開催された「日本睡眠学会 第39回定期学術集会」で発表された。
資生堂は、東日本大震災以降続けている東北地方の被災地支援活動を通じて、震災後3年経過した現在も「不安な気分だ」「よく眠れない」など気分や睡眠の不調を訴える人が多いことを知った。
資生堂では、30年以上にわたって香りの生理・心理効果である「アロマコロジー」の研究を通じて、香りには気分をリラックスさせ、ストレスを和らげるなどの効用があることを見出してきた。
今回、この「アロマコロジー技術」を活かし、疲労時に落ち着きやくつろぎを感じる香りを配合した化粧水状の試作品を、気分や睡眠の不調を感じている岩手県大船渡市の30人に就寝前に2週間使用してもらい、気分や睡眠の状態を質問紙で回答してもらった。
結果では、気分や感情の状態が有意に緩和し、さらに睡眠全体、夜間睡眠状態、朝起床時気分、朝起床時体調のいずれも良いスコアとなった。また気分や睡眠の不調に関する自覚症状が緩和することが確認された。
- 参考リンク
- 東日本大震災における資生堂の取り組み