マルチビタミンサプリメントは心血管の健康を改善しないという研究結果が7月10日、アメリカ心臓協会（American Heart Association）からプレスリリースされた。研究の詳細は同協会出版のジャーナル「Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes」に掲載されえている。

研究チームは、既発表の18件の研究のメタアナリシスを実施。合計200万人以上の参加者と平均12年間のフォローアップを分析した。その結果、マルチビタミンとミネラルサプリメントを服用しても、心臓発作、脳卒中または心臓血管死を予防することはできないことがわかった。

バーミンガム大学アラバマ校医学部の心臓学准教授Joonseok Kim博士は「マルチビタミンやミネラルサプリメントが心臓血管疾患を予防しないことを、栄養学の研究者を含め、人々に説得することは非常に困難だった。この研究成果がマルチビタミンやミネラルサプリメントの誇大広告を減らし、果物や野菜をもっと食べたり、タバコをやめて運動をするなど、心血管の健康に実証済みの方法を奨励することを願っている」と述べている。アメリカ心臓協会は、心血管疾患の予防にマルチビタミンまたはミネラルサプリメントの使用を推奨していない。