小児期の日焼け止め使用、皮膚がんの生涯リスク減と関連か
2018.08.3
国際部
小児期の日焼け止め使用と40歳までの黒色腫(皮膚がんの一種、メラノーマとも)リスクの関連を調査した結果が7月18日、「JAMA Dermatology」オンラインに掲載された。
調査の「黒色腫家族研究(Australian Melanoma Family Study)」は、2001~05年にかけて、オーストラリアの3つの州(人口の3分の2に相当)で実施されたもの。日焼け止め使用に関するアンケートデータが含まれている。ロジスティック回帰分析を用いて、メラノーマのオッズ比(OR)および日焼け止め使用の相関関係を推定した。
その結果、メラノーマのリスクは、小児期の日焼け止め剤の使用率が高いほど小さく(オッズ比0.60)、生涯リスクも小さかった(同0.65)。総生涯日光曝露量は、黒色腫リスクと無関係なことが分かった(三分位にして最も高い曝露量に対する最も低い曝露量のオッズ比0.97)。これとは対照的に、日焼け止め剤の使用により逆加重(inversely weighted)された全太陽曝露は、黒色腫リスクと有意に関連していた(オッズ比1.80)。色素沈着が多い人、母斑のある人、長時間日光に晒されている時に日焼け止めを使用していた人で特に強い関連が認められた。